いんちきで、さらにマクガフィンだつた。

by 丸太花道@乳軟部

コンセンススでフィックスで

 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には以前からお気づきだらうが、直接触れた記憶がないので、この稿で改めて書く。
 思はせぶりは苦手だからさつさと云ふと、カタカナ言葉を出來るだけ使はないのが、この[いんちきばさら]の基本的な考へ方…方針といふこと。カタカナ言葉を頭から拒む積りはないけれど、日本語で記せるならそつちを優先すると云ひかへてもいい。

 ひとつには好みが理由。どうも文章にカタカナ言葉を挿れると、そこだけ惡く浮いた感じ…妙なわざとらしさとでも呼べばいいだらうか…がされる。それは丸太のあしらひが下手なのだよと笑はれさうでもあるが、まあ。
 もうひとつは實利的な方向で、視認性の問題である。ちよつとこれでは解り辛いか知ら…では、あるカタカナ言葉を目にした時、その意味がすつと頭に入りにくい、と書けばどうだらう。たとへばコンセンススを得てからフィックスさせるなんて書かれて、直ぐに解るものかね。合意を得て決定させると書く方が余程にすつきりする。判らない方がをかしいと考へるのは誤り。文章は理解されるのが目的なのだもの。

 勿論カタカナ言葉で示さざるを得ないものがあるのも事實。その例外は殊に単語に多く、パーソナル・コンピュータ辺りを代表にしておきませうか。かういふのを日本語に置換するのも出來なくはなからうが、似非の臭ひが立つてくるから、それ自体を藝にしない限り、手を出さないのが賢明な態度だらうね。

 かうは書いたけれど、私だつてカタカナ言葉を用ゐることはありますよ。それはその方がいいと判断したからで、何故さう判断するかと云へば

 ①カタカナ言葉を浮すことで、その部分を強調したい場合
 ②日本語では意味するところが明瞭になりすぎるので、カタカナ言葉で曖昧にしたい場合

のふたつに分けられる。カタカナで記さざるを得ない単語は別として、さういふ意図がなければ日本語を使ふ。書く方が書き易いのは当然だし、讀む方だつて讀み易いにちがひない。

 ここで予想出來るのは
『日本語の基幹部には漢語があるぢやあないか。英語を主にするカタカナ言葉が入つたつて何の不都合もないよ』
といふ反論で、かういふことを眞顔で云ふひとがゐるんだから、世の中は不思議に満ちてゐる。

 漢語が和語と共に日本語の底流を成してゐるのは改めるまでもない筈で、その上に乗つかつてきた外國語と同列にするのが間違ひだと、これだけでもはつきりしてゐる。仮に英語が加はるとしたらさあ、あと何年くらゐ必要か知ら。五十年百年程度の短期間でないのは確實でせう。
 併し今あるカタカナ言葉を今から書く文章に用ゐて支障があるのかと、更に反論が續く可能性もあるね。あるが先づそのカタカナ言葉が讀む側にどれだけ伝はるか、詰りそのカタカナ言葉が我われの中にどの程度根づいてゐるかといふ問題がある。入れ替り立ち替るカタカナ言葉の群れで、幾つくらゐが該当するか、甚だ心許ない。

 それに文章の目的は伝へる点にある。言葉の撰び方がその大切な要素なのは想像力を働かせるまでもなく、コンセンススでフィックスと同意から決定のどつちが伝はり易い書き方か、比較するまでもなからう。
 当り前の話。
 伝はり易い言葉の背中には、伝はり易くなるまでの時間が貼りついてゐるもので、この時間は代用がきかない。そして伝はり易い言葉にはそれを十分に使ひこなしたお手本がたくさんあるのもまた当然で、今出來ではどうしたつて無理なところなんである。大きく纏めれば歴史的、伝統的、保守的である方が文章の腰が据はるといふこと。少なくとも私はさう信じてゐて、誤つた態度ではないとも信じてゐる。尤もそれで書く文章の出來がどうなのかは別の問題。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にも、その辺りはひとつ、あれといふことで。
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by vaxpops | 2017-05-01 17:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)
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Commented by stonefree_01 at 2017-05-01 20:39
そう、いろいろ言ったって、大事なのは最後の尤も以降の4行だけ(^^)あたしもを言いたくなったけど、自己解決してるんで、安心して風の森を愉しんでます(^^)
Commented by vaxpops at 2017-05-05 07:49
頴娃君。

 "大事なのは最後の尤も以降"と云はれるのは、書く文章の出來がどうなのかは別の問題、の部分か知ら。
 どうやら書いてゐることと、自身で解決されたところにはちよいと、差異がありさうな感じがされますが、それもまた書き讀みの妙味と考へるとしませう。
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