いんちきで、さらにマクガフィンだつた。

by 丸太花道@乳軟部

カテゴリ:画像一葉( 73 )

11005-0015 ズーム・レンズ

 ズーム・レンズと云ひ、ヴァリフォーカル・レンズとも云ふ。本来は異なる意味で使ふらしいが…たとへばライツのヴァリオ・ヱルマーやツァイスのヴァリオ・ゾナー…この稿では同じに扱ふ。どう違ふのかを気にする厳密家の方がたはご自身でお調べなさい。暇潰しくらゐにはなるだらう。

 シリアスに写真を撮るひとに、ズーム・レンズはいたく評判が惡い。
 大きいし重いし、開放値は暗いし、画角に対して無精且つ無神経になつて仕舞ふ…と云ふのが反ズーム・レンズ派の挙げる理由で、勿論それらは間違つてゐない。わたくしも気合ひを入れて撮影に臨む時は、単焦点を使ふ。

 然し非ズーム派が声を荒げるほど、ズーム・レンズは駄目なものだらうか??

 最近わたくしはズーム・レンズを購入した。
 トキナーのSZ-X 28-105㎜/F3.5-4.8(Kマウント仕様)と云ふ、今の目で見ればごく地味なスペックのレンズ。リコーの隠れ名機XR-7MIIにこのレンズを付け(念の為にSMCペンタックス50㎜F1.7も用意したが)川越を撮りに行つたんである。
 フヰルム式の一眼レフでズーム・レンズを使ふのは実に久しぶりの事で、色々驚かされた。
 最初の驚きはファインダ内の画角変化ですね。28㎜から105㎜と云ふのは昨今のズーム倍率としては寧ろ小さい方に属するのだが、実に迫力があつた。さう思へた理由はよく解らない。もしかすると(デジタル・カメラと較べて)非常に小さなファインダが錯覚させたのだらうか。
 もうひとつ驚いたのは、その使ひ勝手の良さである。ほぼ常用域をカヴァした焦点距離で、然も全域で50㎝まで寄れるのだから、余程特別な目的の撮影…たとへばストロボが使へない仄暗い庫…でなければ、ISO400のフヰルムを使ふ事で、不便に悩まされる事も無いだらう。
 川越は旧いまちで、少なからぬ数の観光客が訪れるから、さう云つた人びとを外したい時には、ちよいと望遠側に画角を変へ、ごちやごちやした感じを鷲掴みにしたければ、ひよいと広角側に画角を変へればよいのだから、これもまた軽快のひとつと云つてよい。

 トキナーで撮つた写真は、素人目にもはつきり判るほどかりりとした描写で、真夏の陰影をモノ・クロームで写したら、面白いだらうきつとと思はれた。
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by vaxpops | 2011-01-24 14:00 | 画像一葉 | Trackback | Comments(0)

11003-0013 7来りなば

 冬来りなば、春遠からじ、と云ふ。
 いい言葉ですね。
 人生の愉しみが、ここに集約されてゐる感じがする。

 春には色々の愉しみがあるのだけれど、その惡さの計画については、今のところ、触れない。

 然し惡さ―ではないな、遊びです、遊びには玩具が欠かせない。
 主な玩具は(デジタル)カメラで、そつちには不便がない。当り前の話で、カメラを百台持つてゐても、一度に撮れる写真は一枚きりなんだから、無闇に増やすのは寧ろ考へものだと云つていい。
 もうひとつの玩具はP.C.周りで、問題はこちらである、あつた。
 わたくしがこれまで常用してゐたのはEeePC900といふネットブックで、多分二年余り、使つたと思ふ。廉価な機種ではあつたが、そこそこに軽量だつたので持ち出すのにも然程抵抗がなく、厳しい使用は無理にしても、さつくり遊ぶ分には不便も問題もなかつた。

 が、壊れた。

 キー・ボードの一部が駄目になつたので、文字の入力には支障が出たわけではなかつたが、早晩、いけなくなるだらう事は容易に想像がついた。
 これは、まづい。
 そのくらゐまでは如何なわたくしでも頭が働く。遊べないのは困るし、この"いんちきマクガフィン"の更新が滞つて仕舞ふのは、感心出来た事ではない。
 なので買ひましたよ、新しいP.C.―lenovoの廉価なやつをば。
 Windows7の64ビット版で、わたくしはやうやく最新のOS環境を手にしたわけで、然しこれが実に使ひ辛い。Windowsは3.1の頃から公私共に使つてゐて、Vista以外は触つた事があるのだが、OSの機能は別として、これ程解り辛いインタフェイスを採用した理由がさつぱり理解出来ない。3.1からXPまでは大体のところが見当を付けられるやうになつてゐて、その一貫性(と云ふか旧ヴァージョンとの視覚的な互換性)をわたくしは好もしいものと思つてゐる。
 「いやいや、Windows7の方が便利ですよ」
 とマイクロソフトの社員は胸を張るに違ひないが、その便利さは、視覚で先づ感ぜられる要素なのだから、かれらの云ふ事はをかしい。第一印象は莫迦に出来ないんである。

 尤も。

 「新しい玩具」と云ふ物は、その新しさゆゑに愉しくまた嬉しいのも、また偽らざる事実でもある。
 大きな画面は眺めてゐて気分がよいし、キー・ボードを叩く感触もまた(当然ではあるが)ネットブックとはまつたく異なる心地好さなのも嬉しくなつて仕舞ふ。嬉しがつてゐるんです、要するに、わたくしは…と倒置法を濫用したくなる程に。
 7来りなば、然し"いんちきマクガフィン"の更新が頻繁になるかと云へば、それはまた別の話として、さてこの名付けて lenovo壱号で如何に遊ばうか。どうにも馴れるまでに時間が掛りさうなインタフェイスを眺めながら、わたくしは色々と頭を悩ましてゐる。
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by vaxpops | 2011-01-10 19:00 | 画像一葉 | Trackback | Comments(0)

10005-0005 ペンの話

 一ばん最近に購入したカメラが、ペンなんです。
 オリムパス製。。
 正しくはオリンパスなのは知つてゐるが、オリ"ム"パスと書く方が好みなのだ。真摯で生真面目なファンの皆さま方には、ご容赦願ふ。
 オリムパスのペンと云へばおそらく、多くの読者諸嬢諸子はマイクロフォーサーズ規格の、ミラーレス・デジタル一眼カメラを連想するんではないかと思はれるが、わたくしが買つたのはそれではない。
 ペンFといふ極めて独創的な、知る限りではオリムパス以外は手を染めなかつた、ハーフ・サイズでレンズ交換も出来るフヰルム一眼レフを連想する方もをられるかも知れないが、それもまた違ふ。

 ペンS。

 ペンと名付けられたカメラの二番目の機種であり、わたくしはこれが、完成形だと思つてゐる。
 わたくしの手元にあるのは、シリアル番号が334562の個体で、Dズイコー3㎝F2.8を搭載し、目測ながら70㎝まで近寄る事が出来、バルブと1/8~1/250秒のシャッターを備へ、6枚の絞り羽根…ものの本では絞り羽根が5枚と記されてゐるが…を有する。
 このDズイコーが素晴しくよく写る。
 Dズイコーに採用された3群4枚のレンズ構成は俗にテッサー・タイプとも呼ばれる、ごく簡単な構造であつて、偉大なパウル・ルドルフの…いや、昔日の光学大国独逸の栄光を…いや、レンズ史の話はこの際どちらでもよろしい。

 目測で露出計も持たぬカメラで、素晴しくよく写るも何も無いだらう、と思ふのは間ちがひだ。
 ペンSが現行機種だつた当時に比べ、フヰルムの性能が飛躍的に向上してゐるのが、理由のひとつ。
 ハーフ・サイズといふフォーマットもまた、この場合レンズに対して、被写界震度の点で有利に働いてゐるのが、理由のひとつ。
 最も大きな理由は、ペンSで撮るのが、実に痛快である事だらう。
 ざつくりと露光を合はせ、同じくざつくり焦点位置を決める。なーに、ISO100のフヰルムを好天の野外で使ふなら、F5.6かF8の1/250秒か1/125秒の組合せで大体問題は無いし、これくらゐの露光条件なら3m辺りに焦点を決めておけば、大体外す事も無い。後は気分でちまちま弄りながら、シャッタ釦を押せばよい。

 この"大体"が痛快なんである。

 どうやつても厳密に露光や焦点を決められないのは、逆さに考へると、それらから切り離されてゐる事を殆ど明示してゐる。その点に気が付くと、写真を撮る行為そのもの…必須の前段階と思つてゐた、露光と焦点の調整を飛ばして…に集中出来る。わたくしの思ふ"大体の痛快"を多少詳しく云ふと、こんな感じになるだらうか。
 シヴィアに単体の露光計を用意し、リバーサル・フヰルムを用ゐる方がよく、距離もきちんと測る方が、Dズイコーと云ふ優れたレンズの性能を存分に発揮させられるだらう事は勿論である。勿論ではあるが、それは、愉しい行為かね。間ちがひの無い写真を確実に撮りたければ、その辺の量販店の棚に並ぶデジタル・カメラ(デジタル・カメラに記録された画像を写真と呼んでいいのか、疑問はあるのだが、ここでは踏込んで考へない)を買ふ方が余程に確実だし、いやたとへば携帯電話に内蔵されたカメラだつて、近年のは恐ろしい性能なんだから。
 ペンSを使つて撮つた写真が必ずしも、よく撮れた写真になるとは限らない。が、高揚した気分でばしばしシャッタを切つた後、さて全体、どんな写真になつてゐるんだらう、とわくわく(乃至びくびく)出来るのは、ペンSユーザに与へられた特権ではないかと、わたくしは静かに主張したい。

 シリアル番号334562は、わたくしにとつて三度目のペンSである。
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by vaxpops | 2010-12-23 12:00 | 画像一葉 | Trackback | Comments(0)