いんちきでさらにマクガフィン

by 丸太花道@乳軟部

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13157-0305 "うまい!!"

 文章を書く時、相当に困難だと(私に)思はれるのは第一に"下品を下品と感じさせない事"で、尤もこれは余り実感する機会を得ない。そもそもさう云ふ事を書く習慣を持たないからで、人間が出来てゐると得ですね、こんな場合は。
 然しもうひとつ、"呑み喰ひの味"が相手だと暢気に構へるわけにはゆかない。私のやうな素人は屡々どこで何を呑んで喰つたかを書くわけだが−何しろ一ばん身近でヴァラエティに富んだ話題だからね−我々は知らず、訓練の足りないまま難敵に立ち向つてゐる事になる。

 "呑み喰ひの味"は要するにうまいか不味いかを書くのだが、うまいものをうまいと書くだけではちつとも旨さうに思へない。ごく粗雑に云へば何がどうでうまいのかが伝はらないと、うまいの三文字がただぶらりとしてゐるだけになつて仕舞ふ。見た目がとかどんな食器でとか香りとか、くちに入れた時の感触や歯触り、のど越し、その後の香り…たとへばさう云つた感覚の綜体と味覚の組合せが"うまい"のであつて、その"うまい"を文章にするなら綜体の分解と再構成が必要となる。

 と書けばご想像頂けるだらうが、これはおそろしく高度な技術だよ。少なくとも素人が軽々と書ける代物ではない。たとへば檀一雄と云ふひとは実に旨さうな文章を書いて私の空腹を無闇に刺激するのだが、一読はさらさらといける。上等のお酒のやうなものだ。再読三読に到つてところが上等のお酒のやうに、香気が鼻孔を擽つてくる。実にたちが惡く、何度それで無駄に胃の腑を刺激された事だらう。詰るところこれは檀の美事な藝なので、我われは真似するなぞ考へず、それを愉しむのが正しい。

 藝と云へば吉田健一を忘れてはならないね。このひとは"うまい"を多用するくちなのだが、そこに到る比喩が凄い。何がどう凄いのかは原文を読むのが最良なのでいちいち挙げはしないが、これもまた檀とは異なる第一級の藝なので、凡百がとても及ぶところではない。矢張り真似なぞ狙ふのは諦めて、その鮮やかを愉しむのが正しい。殊に吉田の場合だと比喩の用ゐ方が巧妙を極めてゐて、かれの云ふ"うまい"は実に活き活きしてゐる。

 かう云つた名文を読んで仕舞ふと、自分で書くのはもう止めにするのが賢明な判断に思はれてならなくなる。そんな気分で巷間に溢れる"うまい"の波が目に入ると、憂鬱で堪らなくなるのだけれど、神経質に過ぎる話だらうか。然し"うまい!!"をうまい文章で読むのは、旨いものをくちにするのに続く人生の愉しみである筈でせう。
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by vaxpops | 2013-04-30 23:30 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)
 えらい事になつてゐます貴君、と私は慌ててゐる。
 何を焦つてゐますかね、と頴娃君は泰然悠然としてゐる。

 手取川合戦以来、然し貴君、実に二週間以上が経つてゐるではありませんか。
 すりやあ貴君の都合ですよ、リアルタイムだの祝ひ事だのにかまけてサヴォタージュを決め込んでゐたのが惡い。

 頴娃君の態度は泰然悠然ではなく冷然ではなからうかとも思はれたが、かれの指摘は名人の射つた矢のやうに的の中心に命中してゐるから反論が六づかしい―と云ふより反論が出来ない。

 こまつた。

 いやこまつたと云へば解決する話ではなく、どうすればいいのかは既に明らかであつて、詰り呑み始めねばならない。いつでもさうぢやあないかとのご指摘は尤もとして、我われが栓を開けたのは万大醸造の純米吟醸・萬耀であつた。
 何故その酒藏を撰んだかはリンク先を見てもらへれば判る通り地元のお酒だからで、かう云ふのに敬意を払ふのがニューナンブなのである。

 風呂上りの咽喉を麦酒でひと先づ潤し、肴を摘んでからゆつくりと最初の一ぱいを呑む。これは大切な点なので強調しておきたいのだが、空腹のまま日本酒をお腹に入れるのは感心しない。実際以上につよい当りを感じて仕舞ふのが理由である。
 鼻孔で感じる香りや舌触り、咽喉越し、後から立ちのぼる香り―さう云つた諸々が纏まつてお酒の味になるのだから、鼻先くち元から胃の腑まで、ゆつたりさせておくのが好もしい。

 「ふむ…」
 「む…う」
 初めての銘柄の最初を含んだ時、我われは必ず数秒間、言葉を途切れさす。第一印象に二度目はない。
 「うむ」
 と聲が揃つた。好みは違へど―頴娃君はどつしり濃いのを、私はかろやかで切れがすすどいのをこのむ傾向がある―買ひ込んだのは間違ひではなかつた、と云ふ意味である。
 尤もその後の評が微妙に割れたのは付け加へなければ公正ではないだらう。
 「よく頑張つて醸つたね」
 と私が云つたのに対して、頴娃君は
 「これは佳しと云へるです」
 と呟いた。どちらが正しいなどは考へるのが無意味で、おなじ数奇者でも感じるところに相違があるのだと考へて頂きたい。さう云ふのは寧ろ瑣事であつて、評のちがひより伊豆に一年前には気付けなかつた地のお酒があつて、それがこちらの舌に適つたと云ふ点が遥かに大切でまた喜ばしくもあつた。

 「よいですな、実に」
 「然り、よいですな」
 にんまり笑ひあつて万大に万歳を捧げた我われはふたたび聲を揃へ、そろそろ始めませうかと云つた。
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by vaxpops | 2013-04-29 23:30 | 宿酔紀行 | Trackback | Comments(2)

13155-0303 それは本物か??

 写真を熱心にアップしてゐるウェブログはまあ、少なくありませんね。
 その少なからぬ数のウェブログで時に引つ掛かるのが、その写真を"作品"と称してゐるひとがゐる事で、引つ掛かると云つたのは実のところ言葉を柔らかくしてゐて、本心はまつたくのところ気に喰はないのです。

 この"気に喰はない"は自分の写真を作品と呼んでゐる事に限つた話ではなく、たとへばそれは
「"写真家"や"小説家"或は"音楽家"、"俳優"と云つた肩書き」
にも感ぜられる気分で、勿論そこには浅学菲才の僻みがあるのは否定出来ません。その点を然し認めた上で、どうしても私は
「それは本物か??」
と密かに呟かざるを得ないのです。

 もし私が自分の撮影した写真を作品…仮にですよ…と呼んだとすると、その瞬間、私は考へこんで仕舞ふでせうね。
 「ほほう。こいつが"作品"ね。と云ふ事は写真史に鮮やかな足跡を残した植田正治先生の(正しい意味での)作品と同じなわけだ」
 ここで植田先生の名まへを持ち出したのは私が尊敬してゐるからで、ひとによつてはブレッソンにも木村伊兵衛にも土門拳にもアラーキーにもなるでせう。いづれの名まへを入れても考へこんで仕舞ふのに変りはありません。

 「すりやああなた」と笑ひながら「考へすぎにも程があるよ」
 さう云ふひとがをられるでせうね、きつと。もしかするとそれは正しいのかも知れません。知れませんが矢張りその考へすぎは止められさうにありません。

 手元に原本が見当らないのですが、実のところ伊丹十三が若書きのエセーで、かう云つた事を書いてゐます。かれは大意
「評価…ここでは創作的な活動と云つた意味合ひの…は他人が行ふもので、自己に対する評価がそれを上廻つてはならない。まして他人の評価を自分で丸のまま受容れ、同化させるなぞは論外である」
とも付け加へてゐて、非常に厳しいですが正しくもありますね、この意見は。
 「それは本物か??」
 と呟いて仕舞ふのは有体に云つて伊丹が半世紀前に喝破した一文の丸写しなのですが、多少なりとも恰好を付けさしてもらへるなら、私はそのお蔭で廉恥と云ふ言葉の響きを実感出来た気がされるのです。浅学菲才が伊丹の大才を真似て何を云はうが、説得力に欠けると突つ込まれれば、それで終りではあるのでせうけれど。
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by vaxpops | 2013-04-28 23:30 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

13154-0302 小自慢

 主役はジッポである。

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 私はジッポの収集家ではないので手元にあるのはこれひとつきり。
 いつ購入したかは丸で記憶から抜け落ちてゐるが、二十年以上、使つてゐるのは間ちがひない。

 はつきりしてゐるのは、買つた際に所謂"保証書"が出なかつた事で、その代り裏面にごく細く頭文字を彫つてもらつた。

 店の親仁曰く
「これ(彫金)で判るから」

 かう云ふお店で購入出来たのは、私のささやかな自慢なのである。
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by vaxpops | 2013-04-27 23:30 | 画像一葉 | Trackback | Comments(0)

13153-0301 祝ひ酒

 友に佳き事ありて、一献を汲みかはす。

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 慶事の酒の旨きは余事にかへ難し。
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by vaxpops | 2013-04-26 23:30 | 台湾蝶々 | Trackback | Comments(0)

13152-0300 うるま

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 まあ、見たままで。

 販売が沖縄県内に限定されてゐるから、都内での購入は出来ない筈である。

 持つべきものは向ふに地縁のあるひとだねえ。
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by vaxpops | 2013-04-25 10:30 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

13151-0299 マヨネィーズは

 キューピーが旨い。

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 これはもう、幼少期からの云はば"刷り込み"なのでどうにもならない。

 それで画像を撮つてみたのだが、思つてゐたよりキューピーが愛らしくなくつて、ちよいと驚いてゐる。
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by vaxpops | 2013-04-24 23:30 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)
 ここ最近リアルタイム更新と云ふのが面白くつてこいつはニューナンブで吉祥寺から高円寺に足を運んだ時の"リアルタイムぶらナンブ"に味をしめての事だ。

 尤も仮にこれを"リアルタイム方式"と呼ぶがそれは感心出来る手法とは呼び難い。

 画像一枚に二行か三行程度の文と云ふのはたれだつて直ぐに出来る方法で特にスマートフォンを使ひこなしてゐるひとからは失笑をされてもやむ事を得ない安易さであると思ふ。

 膨らましも含めて喩へてみれば"リアルタイム方式"は手に入れた素材をほぼそのまま皿に乗せる手法だから漁師の賄ひ料理のやうだと強弁出来なくもない。

 けふは大漁が見込めさうだと思はれる時が偶にあつてそんな場合に"リアルタイム方式"を採用する。

 読みに違はず撮りながら記事を上げてゆくのは興が乗るとリズムが生れてきてそれがこの手法の愉しみなのであるがその愉しみは考へないところと密接に繋がつてゐるので真面目に文章を書かうと思ふなら少なくとも多用濫用は避けておくのが正しい態度であらう。
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by vaxpops | 2013-04-23 20:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

13149-0297 後継機

 ウェブログはWEBのLOGだから、それらしく記録…即ちログを残してみる。
 自分の為のメモなので、他のひとには役立たないだらうが、メモは本来がさう云ふ性格だから仕方がない。

・リコーGR(メーカページ)

・リコーGR(β版紹介 ITメディア デジカメプラス)

・リコーGR(β版紹介 デジカメWatch)

・ペンタックスMX-1(メーカページ)

・ペンタックスMX-1(製品紹介 ITメディア デジカメプラス)

 GRデジタルからIV型までとGX100及び200の組合せの跡継ぎがGRとMX-1になる、と云ふ事か。仰々しいデジタル一眼(レフ)よりこの二台を持つ方が決つて見えるのではないか。

 まあ実際のところは持ち方次第だらうけれど。
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by vaxpops | 2013-04-23 17:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)
 一ぱい。

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 かう云ふのを忘れない辺り、私もまだまだ大丈夫だ。
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by vaxpops | 2013-04-22 17:37 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)