いんちきでさらにマクガフィン

by 丸太花道@乳軟部

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14367-0947 アップ気味に

 臺灣蝶々のカメラ機能に限つた事ではないが、割とアップで撮りたがるのが私の癖なんである。
 それなのに広角レンズが好きで、我ながらちよいと矛盾してゐるなあと苦笑が浮ばなくもない。
 28ミリくらゐの広角レンズに一ばん馴染んでゐるのだが、どうも私は隅々まで画面を整理するのが苦手らしく、たとへば大きく開けた風景を美しいと思つても、撮り辛さを感じてこまつて仕舞ふ。
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 それでアップにするのは安易な態度だよ、と云はれたらその通りと応じる他になく、確かに“どんな風なアップにするか”は矢張り大事な点であらう。
 それでも広々とした場所を掴み取るよりは樂な感じがされるのは、もしかすると勘違ひかも知れない。
 馴染んでゐる所為もあるとして、然しアップにすれば周囲に気を遣はなくてよささうで、広々した風景より撮りにくさを感じる事は少ないのだが、かう云ふ撮り方は感心出来るものではないのだらうか。

 そのアップ気味の参考画像に撰んだ被写体は、福島は榮川の本醸造。
 かう云ふのを呑まして呉れるお店が普段の行動範囲にあるのは、些か問題があるのではないかと思はれてならない。
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by vaxpops | 2014-10-31 22:15 | 番外携帯 | Trackback | Comments(0)

14366-0946 惡癖

 臺灣蝶々で撮る時、何となく“少し傾け”るのが私の癖で、惡癖と云つていい。

 矢張り正面から撮るのが大事であつて、詰らないと感じたなら、それは構図のとりかたが間違つてゐるか、被写体そのものが詰らないんである。
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 傾けると然し、詰らない(筈の)被写体が、妙に意味ありげに見える事がある。有り体に云へばただの勘違ひなのだが、それで画像を見るひとが勘違ひするならすりやあまあ、仕方がないとして、撮つてゐる本人まで勘違ひしてはどうにもならない。

 正面から、堂々と、真つ直ぐに。

 さう云ふ冩眞は靭いのだ、矢張り。
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by vaxpops | 2014-10-31 07:30 | 番外携帯 | Trackback | Comments(0)

14365-0945 鉄板

 いつ頃から始まつたのか知らないが、焼き物を鉄板に乗せて出すあの風習は、どうにも感心しない。お店の立場からすると

『最後まで熱々のままで、お召し上り下さいませ』

とでも云ふのだらう。云ひたい事は一応、判る。然し感心しない事實は事實のままで、鉄板に乗せたままだとその間、折角の肉が焼かれつ放しぢやあないか。たとへばレアな焼き加減が好みだとして、これだと最後にはミディアムくらゐになるんぢやあなからうか。画像のやうな…田町の“いつもの居酒屋”で頼んだサイコロ・ステイク…つまみならそれでもまあ、納得した顔附きをしてもいいけれど、ステイクを喰ふぞと思つた時に鉄板で出されるのは矢張り、こまる。
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 そんならどうしろと云ふんだよと厨房の奥から聞こえてきさうで、大丈夫、ちやんと答は用意してゐる。即ち

『お皿を温めなさい』

これである。と云ふか、これ以上の答は今のところ無いと思ふ。手間は掛かるし、光熱費も少しは嵩むだらうし、何より暖めるのを繰返すと、さうしないお皿より傷みも早くなる(聞いたところ和食の特に漆器は数年保たないと云ふ)らしいが、小さな話ではありませんか。レアで食べたいステイクをレアのまま、熱いままで食べる時に、鉄板はどう考へても撰択肢には入らない。伊丹十三がこの手のステイクを食べた時、給仕事が“恭しく”注ぎかけたソースが鉄板で一瞬のうちに“お好み焼きになつたの”を茫然と眺めたと書いたくらゐだもの。

 かう云ふのは別に熱い食べものに限る話でなく、ひいやりしたのは器も涼やかに冷すのが当然で、こつちも砕いた氷の上にお刺身を乗せるなんて乱暴が通用してゐる。冷たけりやあいいんでせう、とでも云ひたいのかどうか、あんな眞似をしたらお刺身が水つぽくなるではないか。勿体無い。

 ところでハーヴェイ・ロヴェルがマティーニの作り方について、冷しすぎてはいけないと教へて呉れてゐるのをご存知だらうか。あの酒精中毒のガンマン曰く
『冷たくすればたいていは美味く感じる』
のださうで、ジェイムズ・ボンドが隣にゐたら
『シェイクではなく、ステアで』
と加へるだらう。
 ボンド氏のスノビズムには遠慮頂くとして、ロヴェルの見立てはかなりすすどい。ぐつと冷す、或はかつと熱くすれば、その舌を焼いたり喉を滑り落ちたりする感覚は強調されるもので、それは“うまい”の隣人でもある。なので“うまいと感じ”てもそれは正しい錯覚だと云へる。ただそれが極端に進むと、兎に角からいだけの食べものに成り果てて、あんなもの味がどうかう以前の物体に過ぎないが、からいと云ふ極端がうまいと云ふ繊細を押し潰すのだらうな。

 してみると唐辛子で真つ赤になつた丼は、鉄板で焼き續けられる憐れな牛肉の戯画であるか。

 ハーヴェイ・ロヴェルなら躊躇はず撃つにちがひないが、私はなにせ平和的な人間だから、そんな乱暴はしませんよ。お好み焼きと化したソースを見つめながら、腹の底で
『こまつたものだなあ』
と呟くのが精一杯だらうと思ふ。お皿は温めて(或は冷して)用ゐる手間は掛けるのは、めしを喰はす側の当然の筈で、代金にその分の対価が入るのもまた当然の筈ではなからうか、などと考へつつ、バーに足を運んでマティーニを註文するのだらう。グラスは薄くくもる程度に冷して、ステアではなくシェイクで。
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by vaxpops | 2014-10-30 07:30 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)

14364-0944 慎重の基準

 中野の“泡盛と焼酎が素敵にうまいお店”で。

 島辣韮と云ふ呼び方が一般的なのかどうか。
 辣韮を塩揉みまたはかるく塩漬けにしたやつと考へれば宜しいかと思ふ。
 削り節と辣韮の塩つ気で食べる…と云ふより、かぢるわけで、香味のきつい野菜が苦手なひとには不向きだらうなあ。
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 この島辣韮計りは麦酒でもお酒でも葡萄酒でもヰスキィでも駄目で、泡盛か焼酎を呑まないと話が始まらない。

 土地の食べ方が土地の酒精と密接に結び附いてゐるこれは好例と云つてよく、たとへばフィッシュ・アンド・チップスにお燗酒をあはさうと思ふかね。
 あれは(黒)麦酒でやつつけるのが一ばんうまいわけで、それと同じである。

 我われはもうちつと、酒精と肴の組合せに慎重な態度を持つべきで、その慎重の基準が解らないと云ふなら、同じ土地の組合せを優先すれば間違ひはない。
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by vaxpops | 2014-10-29 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

14363-0943 馴染みのゆゑの

 牛肉の廉な切れ端を甘辛く炊いたもの。

 私は“牛肉の炊いたン”と呼んでゐる。
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 画像でお判りの通り、家のおかずで、もつと云へばお金を払つてまで食べる代物ではない。

 然しお金を払つて食べる代物ではないから不味いわけではなく、大坂に帰つた時に少なくとも一ぺん…いや二へんは作つてもらふ。

 要するに舌が馴染んでゐるからで、旨いか不味いかは別に、兎に角食べないと落ち着かない。

 麦酒のあてに勿論うまいが、私にとつては寧ろおかずに思はれるのも、また馴染みのゆゑであらう。
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by vaxpops | 2014-10-28 19:30 | 番外携帯 | Trackback | Comments(0)
 私の酔つ払ひ仲間にCさんと云ふ女性がゐる。よく喋りよく笑ひよく呑みよく食べて、妙なところが抜けてゐて、ああ云ふのを愛嬌と呼ぶのか知ら。大体の場合、呑ませあふ事になるから、眞面目な話をした記憶が無いのも宜しい。そんな話題は素面の時に取つておくものだ。
 ただそのCさんには些かこまつた点もあつて、先づ麦酒を呑まない。云ひ忘れたが、彼女と呑む時はほぼ、中野区某所のKと云ふ小さな、料理が非常にうまい居酒屋で、私はヱビス(小壜)から始めるのが常なんである。どうやら炭酸系の呑みもの全般が苦手らしく、いきなり鍛高譚(水割り)から始めるので、序盤は苦戰を強ひられる。尤もこちらは途中から残波(水割りに近いロック)に切り替へるから、最終的には五分五分になるだらうか。

 もうひとつこまるのは、味覚のどこかが変に子どもじみてゐる事で、たとへば秋刀魚を焼いてもらふとする。Kは生眞面目なお店なので、こちらが註文してから焼き始める。だから出来立てはうまい。佐藤春夫の寂しい詩が寂しく感じられないくらゐうまい。ところが我がCさんは、中々手を附けないのである。
『膓が苦くて厭だ』
と云ふのである。眞顔で云ふのである。それで私が何をするかと云へば、取り皿に身を毟るんである。膓は私が喰ふんである。挙げ句の果てに、こちらが身を喰ひたければ、了承を得なければならんのである。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、信じられますか。實際のところ、秋刀魚がうまいのは、身と膓を巧妙にあはせて喰ふのが一ばんで、膓だけをつまんでゐると
『ナニしとンのやろな、儂』
と思つて、佐藤春夫が侘しく浮んでくる。
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 然も勿体無い事にCさんは猫舌の持ち主で、焼き上がつた秋刀魚(の身)を口に運ぶまで、随分の時間が必要なのだ。居酒屋Kの名物である浅蜊の酒蒸し…たつぷりのおつゆまで、まことにうまい…も我われの愛するメニュなのだが、矢張り彼女は小鉢に入れ(これは自分でよそふ)て、冷めるまで待つ。
『だつて、熱いぢやあないの』
と云ふのが彼女の云ひ分で、御説ご尤もだと考へられなくもないが、同じくらゐ、何かちがふ気もされなくはない。
 そこで思ひ出すのが、これもKの名物である牡蛎フライである。名物なのだからうまいのは当然で、檀一雄は牡蛎と聞くだけで、無闇に昴奮したさうだが、きつと彼の舌も悦ばすにちがひないうまさである。鄙びた小さな居酒屋がどうしたらあんなに旨い牡蛎を仕入れる事が出来るのか不思議でならず、その辺はお客の我われが気に病む必要は無いのだらう。画像でお判り頂けるとほり、ソースで食べさすのが居酒屋Kの流儀がまたいい。タルタルソースはちよいとあまく感ぜられる時があるのだな。このソースのところに、一滴か二滴、タバスコを垂らすと、牡蛎特有のあまみが際立つてくるから、味覚とは不思議なものだ。

 繰返すとKは眞面目な呑み屋ゆゑ、牡蛎フライも註文を受けてから揚げる。多少の時間が掛かるのは当然の事だから、早めに頼んでおいて、他の肴をつつきながら莫迦話に花を咲かす。すると出来立ての熱々が登場するわけで、かう云ふのは素早く頬張つて、あちちとか、ふほふほとか音をたて、麦酒または残波で口中を冷ますのが正しい。
 ところがCさんは猫舌だから、あちちふほふほを拒む(だつて、熱いんだもの)こちらは何となく、それに附きあはなくてはならない気分を感じて、お箸の進みが緩やかになる。女性に対する礼儀から云へば合格をもらつても構はないと思ふが、牡蛎フライに対しては非礼と糾弾されてもやむ事を得ない。そしてこの場合は、牡蛎フライへの礼儀を優先するのが望まれる態度ではないかと思はれる。勿論これはCさんの器を信用するから云へる話であつて、酔つ払ひ仲間はかうでなくちやあならない。
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by vaxpops | 2014-10-28 07:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(4)

14361-0941 ときたら貴女

 新酒の濁り酒ときたら貴女、しぼりたてを濾過する前にしか出来ないのだから、さう滅多に呑めるものではありません。

 以前に一ぺん、呑む機会に恵まれて、その時は二日か三日に分けて呑んで、一日ごとに丸で味が変つたから驚いた。發酵が續いてゐるのだから当然と云へばその通りなのだが、今さら驚かなつたと記憶を書き換えるわけにもゆかないでせう。
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 画像はご覧の通り今年の澤乃井一番汲み・にごり。

 栓の真ん中に炭酸を逃がす孔をあけてゐるのが、如何にもわかいお酒らしい。
 香り、舌触り、喉越しはいづれも粗つぽく、乱暴な酸味と特有のひりひりした感じがつよい、纏まりに欠けた、まつたくのところ若さだけが取り柄のお酒、ではある。
 尤も我われの舌に馴染み深いあの澤乃井の味はひはそこにも確かにあつて、さう云ふのが貴女、新酒の濁り酒の愉しみなのですよ。

 今回の大きな失敗は、このわかくて愉快なお酒の為に、酢の物を用意し忘れた事である。
 覚えてゐて損はありませんよ、貴女。
 濁り酒に酢の物は實に素敵な組合せなのです。
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by vaxpops | 2014-10-27 08:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

晝アサヒリアルタイム

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 結局また、同じ過ちを繰返さうと云ふのか。

 私よ。
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by vaxpops | 2014-10-26 11:53 | 企画万巻 | Trackback | Comments(2)

立川リアルタイム

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 昭和記念公園。

 黄葉が、ほんのりと。
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by vaxpops | 2014-10-26 11:27 | 企画万巻 | Trackback | Comments(4)
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 これで三百円相当なんだから、廉だと思ふ。

 馴れてゐる筈なんだが、矢張り實にうまかつた。
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by vaxpops | 2014-10-26 07:58 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)