いんちきで、さらにマクガフィンだつた。

by 丸太花道@乳軟部

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1670 舞台

 お盆にちまちまと並べられた小さな肴。
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 かう云ふのを眺めつつ(勿論つまみつつ)、愉しみたいのは矢張りお酒だらう。

 仮に並んでゐるのが生ハムや鰊のオリーヴ油漬、種々のチーズに燻製、牡蠣だつたとして、葡萄酒が恋しくなるか知ら。
 色濃く煮つけた豚の腿や酢漬けの苦瓜、黒糖を使つたあまい落花生だつたとして、泡盛や焼酎が慾しくなるか知ら。

 そんな気分は感じなささうに思へる。

 どうも"お盆"に"ちまちまと"並べられた姿が、殆ど一直線にお酒と結びつくのではないだらうか。
 お酒はそんなに強いわけでもないのに、麦酒のやうながぶ呑みが似合はない。時間をかけてじつくり味はふのがオーソドックスで、さう云ふ時に、大皿や大鉢に賑々しく盛られた料理が登場すると、些か困惑して仕舞ふ。

 気分の話と云はれたらまあ、それまでではあるのだけども、その気分がお酒や葡萄酒、泡盛に焼酎、麦酒、ヰスキィ、ウォトカ、紹興酒、その他、諸々の酒精の味に大きな影響を及ぼす事は、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にもきつと、ご経験がおありと思ふ。肴は盛附けだけでなく、器が何で出來てゐるか、大きさや形はどうか、色みはどうで、それらが肴に適つてゐるかで、旨さうに思へるかどうかが決るもので、うまさうな肴がちまちま並んでゐれば、お酒をちびちび呑りながら、あれこれをちよつぴりづつ、愉しめる。

 さう云ふ"ちまちま"を巧妙に纏めるのがお盆の役割で、それは手の込んだ塗りを施さなくちやあならないと云ふ事ではない。木を無雑作に切つたと感ぜられる仕上げでも、いや別にプラスチックでも、肴全体に似つかはしい舞台になつてゐれば、こちらが文句をつける筋合ひは無いと云ふものだが、我われは案外なほど、その一面に無頓着でありすぎるんではなからうか。

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by vaxpops | 2015-10-31 07:30 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

1669 揺れる鰹節

 中野の[とある黒糖焼酎のうまいお店]で。

 空腹を覚えてゐて、しつかりした、然しそこで食べた事のないのを食べたくて註文したのが“苦瓜と塩豚の味噌炒め”であつた。
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 ここの肴は間違ひがないから、まつたく不安は感じてゐなかつたのだが、塩豚と味噌の組合せは非常に濃い味つけで、ほんの少し、ごはんが慾しくもなつたのだけれど、いやそんなのは小さな慾望であつた。

 詰り(黒糖)焼酎に實に似合ふ。
 お店の大将曰く、かう云ふのとか、臺灣辺りの野菜はきつと、泡盛や焼酎に適ふと思ふんですよね、と云ふ話で、確かに異論の余地は認められない。

 画像の眞ん中らで微妙に揺れる鰹節が、炒めあげた直後の活發を、證立ててゐるでせう??
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by vaxpops | 2015-10-30 01:00 | 番外携帯 | Trackback | Comments(7)

1668 まーぼー

 まあ、説明の必要を感じないくらゐの、麻婆豆腐。
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 ここに山椒とピーナツの辣油をたらし込んで食べるのが、まつたくのところ、旨かつた。
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by vaxpops | 2015-10-29 21:15 | 番外携帯 | Trackback | Comments(2)

1667 恋しい湯気

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 寒い夜。

 夜風に揺れる湯気。

 大急ぎで暖簾を潜つて。

 「今夜は、お湯割から」

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by vaxpops | 2015-10-29 07:30 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

1666 苔

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 苔を趣味にするひとが世の中にはゐる。
 と聞いた事がある。

 渋い。

 おれもひとつ、育ててみようか。
 とは思へない。

 苔は眺めるものである。

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by vaxpops | 2015-10-28 07:30 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

1665 睨む(再び)

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 もの云ひたげなかれは急ぎ足だつた。

 だからぶれてゐる。

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by vaxpops | 2015-10-27 17:15 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

1664 睨む

 棲んでゐるアパートの廊下から見かけた猛禽。
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 睨んだ先には獲物がゐるにちがひない。
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by vaxpops | 2015-10-27 07:30 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

1663 川のほとりの黄葉の

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 川が流れ、木々はゆつくりと色づいてくる。

 その変化はそれぞれの変化である筈なのに、我われはそれらを、ひとつの大きな時間に帰して、つい理解したくなつて仕舞ふ。

 川のほとりの黄葉の、それは水と木と陽の光の快い騙し絵に似てゐる。

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by vaxpops | 2015-10-26 12:45 | ニューナンブ | Trackback | Comments(4)

1662 奥多摩モノクローム

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 川魚に目を奪はれて。
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 お姉さんに気を取られて。
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 時節を忘れた花を見て。

 一体全体、何をしに行つてきたのか、最早さつぱり、解らない。

 だが我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、それがそれこそが、この土地のこの時期の、たまらない魅力でもあるのです。

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by vaxpops | 2015-10-26 09:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(6)

1661 藏を呑んだ余韻

 “しぼりたて”と云ふのが所謂新酒。

 “一番汲み”は、その“しぼりたて”を粗濾過のままにした一本。
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 更に濾過を経ないのが、“一番汲み にごり”で、こんなに愉しみはお酒は、中々見つからない。

 わかいお酒は大体、やんちやなものだが、今年のはやや穏やかな口当りに感じられた。

 醸り方に変化があつたのか、こちらの舌の具合なのかは判然としないけれど、“一番汲み にごり”の酸みと微發泡(何しろ發酵が續いてゐるのだ)は、この時期にしか呑めない、うまいお酒なのに変りはない。

 ゆるりと揺らせば、壜の中で幸せな波が立つ。
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by vaxpops | 2015-10-25 17:00 | 番外携帯 | Trackback | Comments(2)