いんちきでさらにマクガフィン

by 丸太花道@乳軟部

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1962 お品書き

 外で呑んだひとのウェブログを拝見すると、そのお店のメニュの画像が添へられてゐることがあつて、あれは惡くない。自分だつたらどんな流れで肴を註文するか考へるのは、閑つぶしの中では有用の度合ひが高いと思はれる。

 私の場合、前半に焼きものを配置し、酢のものなどの小鉢を挟み、そこから煮物お刺身の類へ流れるのがどうやら基本らしく、面白くも何なともないね。併し面白いのとうまいのを比較すれば、うまいのを優先するのは当然の態度でせう。

 そこでさういふ愉しみを我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にも感じて頂きたく、先ずはメニュを一枚。
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 さて。何をどの順番で註文されるだらうか。
 慌てることはない。じつくりとお考へあれ。
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 我われが撰んだのは鰹のお刺身と薩摩揚げの炙り焼の二皿であつた。
 それで冷や酒をゆつくりと二本。
 枝豆と胡瓜を加へなかつたのは、もしかすると失敗りだつたかも知れないが、實にうまかつた。
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by vaxpops | 2016-07-31 07:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(4)

1961 みやこの鐵骨作戰

 念の為確かめると、鐵骨倶楽部のタグはちやんと動いてゐる。

 画像も(ふるいものだけれど)見つかつてゐる。
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 ならば貼らねばなるまいといふ、矢印の方向がよく判らない使命感。

 普段はしないが、画像だけだとどこの鐵骨か判断出來かねる方もをられるだらうから書くと、これは旧國鐵京都驛の天井。
 撮影は2013年の年末、オリンパスE-PM1/Mズイコー17ミリF2.8を使つてゐる。
 露光はカメラ任せで、データを見ると絞り値F2.8、シャッター速度1/60秒、ISOは1600らしい。雨の夕刻(16時半過ぎ)だつたから、数字で見ると中々厳しい条件だつたかと思ふ。

 さうさう、『ガメラ3 邪神覚醒』でガメラとイリスが京都市を壊滅させるのだが、その時にこの辺りも滅茶滅茶にされてゐたと思ふ。
 映画の出來は率直なところ、前2作に見劣りする…その前2作は必見と云へる。2作目は単体だとつらいかも知れないが、立て續けに観れば前後篇のやうで實に面白い…けれど、古都の鐵骨(と硝子)が折れ砕け落ちる場面は昂奮に値する。

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by vaxpops | 2016-07-30 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(4)

1960 告白

 モーツァルト!
 私がきみを殺した!
 といふサリエリの告白で始まるのはミロシュ・フォアマンの『アマデウス』で、サリエリを演じたのがF・マーリー・エイブラハムだつたのを今初めて知つた。『薔薇の名前』(メガホンを取つたのはジャンジャック・アノー)での異端審問官役が強烈過ぎた所為か。あの映画はショーン・コネリーも凄かつたが、弟子役のクリスチャン・スレーターとヴァレンチナ・ヴァルガスのエロチックな場面とエイブラハムが可也りのところを喰つたからなあ。

 いや『薔薇の名前』ではなかつた。
 改めるまでもなくアマデウスはモーツァルトのミドル・ネイム。"神さまの愛"くらゐの意味になるラテン語だつたか。墺太利の言葉だと恰好よくない響きなのか知ら。
 勿論あの豪奢な映画ではかれアマデウス…モーツァルトの樂曲が全篇に散りばめられてゐて、歌劇的な作劇ではなかつたのに、衣裳よりセットより先に、音樂に夢中になつた。初めて観たのは少なくとも四半世紀は前だから、二十台半ばの若造たつたことになる。

 当時の私は単純だつたから(たれです、今も大して変らないと云ふのは)、昂奮したままモーツァルトのディスクを何枚か買つた。たれが棒を振り、どこが演奏したやつかは丸で記憶にないが、[アイネクライネ・ナハトムジク]が収録されたものだつたのは間ちがひない。序盤でサリエリがこの曲のさはりを弾いた時
 「あなたの曲でしたか」
 「いや私ではない…モーツァルトだ」
と応じるむざんな場面(直前にサリエリは自分の曲を弾き、知らないと云はれてゐる)と、あのかろやかな曲調との落差は、人生といふ言葉が他人事だつた若ものにも随分と衝撃が強かつた。だから意気込んで買つたのだけれど、映画の場面ほどの衝撃、或は感動はなかつたと白状したい。サリエリに敬意を示すことも出來るだらうし。

 併しモーツァルトに感激しなかつたのは何故なのだらう。

 勘でしか云へないのだけれど、二十台にモーツァルトは早すぎたのではなからうか。
 ぱつと聴く分にはたとへばベートーヴェンが解りやすい。ヴァーグナーも解る。シュトラウス一家のワルツやポルカもすつきり耳に入る。一ばん最後のは偏愛する維納フィルのニューイヤー・コンサートの(惡)影響だから、そこは何となく受け流してもらひたい。
 歓喜の歌"や何とかの指輪ではなかつたね。一万人の"歓喜の歌"は佐渡裕の指揮で観ると
(いつ指揮棒を飛ばすか折るかするんだらう)
と別の心配または愉しみを感じるのだが、アマデウスには直接の関係はない。

 えーと、さう、モーツァルト。
 たれが書いたかはすつきり記憶から失せてゐるから、その辺は斟酌頂くとして、あの音樂は人生といふ言葉が自分のものになつてから初めて、實感出來るといふ説をどこかで目にして、えらく説得されたのは忘れ難い。書いた本人には不本意かも知れないけれど、大意が記憶にあるのだから諒としてもらひたい。
 となると改めてモーツァルトに触れれば、四半世紀前には解らなかつた感激があるかも知れず、併しもう一ぺん聴くとして、何から入るのがいいのかさつぱり見当がつかない。まあその辺りは我がモーツァルト愛好家の讀者諸嬢諸氏にお知恵を拝借すればよいとして、あの時と同じく
(もひとつ、よく解らないなあ)
と思ひかねない不安がある。サリエリを見習つてモーツァルト、私はきみを理解出來ない!と告白する覚悟は持つてゐるけれども。
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by vaxpops | 2016-07-29 07:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(7)

1959 無い店のピックルス

 食慾がほぼ絶無に等しくなる(但し食べないわけにもゆかない)この時期、嬉しくなるのは酢の味ではないか。

 ザワークラウトで麦酒を呑む。
 蛸と胡瓜と若布の酢のものでお酒をふくむ。

 ね。これは、いいでせう。獨逸には確かザワーブラーデンだつたか、牛肉の酸つぱいのがあるさうで、かういふのをつまみにモーゼルをやつつけるのも、また愉快だらうな。

 併し私を一ばん悦ばせるのは何と云つても苦瓜で、これをピックルスに仕立てたのほどうまい酢のものはない。と思ふ。
 初めて食べたのは今は無い中野の[山ちゃん]といふお店で、苦瓜に二色のピーマンを小鉢に入れてゐて、これが實にうまかつた。あやふやな記憶だから、そこは差引きしてもらふとして、表のメニュには載つてゐなかつた気がする。

 酸つぱさと微かな甘みが、すすどい苦みをやはらかくして、これもまたメニュにはなかつた筈の泡盛…菊之露だつたか…のオンザ・ロックによく適つた。
 但しピックルスも泡盛も必ずあるメニュではなかつたから、最初にオリオン・ビールで煮込みをやつつけ、串焼きを何本か註文してから
 「ところで今日はピックルス、ありますかね」
と訊ねるのが筋の通し方だつた。それで仮になかつたとして、そもそもメニュにないのだから、すりやあ残念で済ませばよい。

 そもそも[山ちゃん]は煮込みがまつたくうまかつた(知る限り、煮込みに鶉の玉子を加へてゐたのはここだけで、玉子を入れる都合か、鍋はうまさうに煮えてゐるのに、食べ損ねたことが何度かあつた)し、串焼きは勿論、焼き魚も中々宜しかつし、一度は他のお客がゐない時に賄ひのカレーまで食べさしてもらつたから、文句を云ふ方がどうかしてゐる。

 ここまで書いてこまつたなあと思ふのは、肝腎の苦瓜とピーマンのピックルスの画像がどうしても見当らない。見つかつたとしても、あのうまい小鉢をもう一ぺん食べる機会に、恵まれるわけではないのだけれど。
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by vaxpops | 2016-07-28 07:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

1958 正しい用ゐ方

 御蔭様をもちまして、繁盛さして頂いてをります。
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 何々させて頂く、といふのは、こんな時に用ゐるのが正しいと思はれる。

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by vaxpops | 2016-07-27 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

1957 タバスコ?

 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏は焼き餃子を好まれるだらうか。私は大の好物である。頭の中で麦酒の相棒撰手権を開催すると、常にベスト4…同じくらゐの成績を残すのは焼き鳥のねぎま(たれ)なのだが、そちらはこの稿では触れない。残念な気もする…に入る強豪と云へば、焼き餃子への偏愛も想像頂けるのではなからうか。

 その焼き餃子を何で食べるか、といふ問題。

 随分以前は小皿にまづ辣油をたつぷり。そこに醤油を垂らすやり方だつた。味が濃くてひどく辛いのが焼き餃子に適ふと思はれた。

 少し以前は醤油に酢を垂らして辣油で調へる風だつた。調合の具合で味が変るのが、焼き餃子に適ふのだと思はれた。

 今では酢を醤油で調へ、辣油は添へる程度になつた。味つけぽん酢を用ゐることもある。焼き餃子の味を活かす方法だと思はれる。

 うーむ。かう書き出すと、調味の好みがどんどん老人になつてゐるなあ。

 尤も焼き餃子はふた皿が譲れない線だから、味つけが濃いと食慾以前に舌が受け入れなくなるのだ。必要は工夫の源泉である。…とは云へ前述したのは要するに酢醤油辣油の組合せ乃至比率のちがひだから、工夫と呼べるほどでないと指摘されれば、反論の余地は残らないか。

 となると焼き餃子をおいしく食べる為のたれを新しく考へる必要がありさうで、さて、何があるだらう。
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 タバスコ?それだけではどうも使ひ辛さうである。ウスターソースに少量しのばせると、牡蠣フライには最良の調味(タルタルソースより旨いと思ふ)となるが、焼き餃子向きではなからう。マヨネィーズに加へるのはどうか知ら。同じからいのなら柚胡椒の方が似合ふか知ら。
 もつとシンプルに粉山椒、或は粗く挽いた胡椒や塩、味噌も考へられる。さう云へば私は鶏の唐揚げを檸檬塩でやつつける(小皿に檸檬を搾つて塩を振る。冷めて仕舞つたのでやると口が変るのが中々宜しい)のが好きで、これなら応用出來るのではなからうか。
 他の調味から引つ張るとしたら、冷し中華の胡麻たれ辺りも使へるか。そのままは甘すぎさうだから醤油で少しのばして、大蒜のすりおろしを加へればいけるのではないか。青紫蘇のドレッシングも似合ひさうだが、これは寧ろお惣菜で買つたのをサラド気分で食べる場合に限られるかな。

 併し實は思ひきり試したいのが、大蒜醤油なんである。ひとつはすりおろし大蒜を醤油で溶いた仕立てで、これはいつでも出来る。もうひとつは大蒜を漬け込んだ醤油。それだけでもよいが、刻んで叩いて粘りの出た葱を追加させたい。何にでも(お豆腐、厚揚げ、焼き魚、卵かけごはん、その他、諸々)適ひさうだが、そんなら焼き餃子にも適ふにちがひない。

 ところで気になるのは、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏がどんな風に焼き餃子を満喫してをられるのかといふことである。濃厚淡泊とろりさらり辛め甘め酸み。私の知らないうまい食べ方があるのだらうと思ふと、悔しくて仕方がない。
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by vaxpops | 2016-07-26 07:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(2)

1956 ○○づくり

 関東近郊の主な麦酒工場には既に足を運んでゐて、参考までにどこにあるかと云へば麒麟が生麦でサッポロは津田沼、サントリーは府中でアサヒは足柄になる。それから恵比寿にヱビス・ビールの記念館もある。
 麦酒の好みはそれぞれだらうから、煩くは云はないとして、麦酒工場の見學に限れば、麒麟が最良だと思はれる。見學後の食事を含めればサッポロに一日の長があるけれど、見學とその後の試飲は麒麟に軍配を上げざるを得ない。

 何しろ私は"麒麟に魂を賣つた男"だからね。
 (尤もサッポロに行けばサントリーに行けばアサヒに行けば、易々と魂を賣り払ふのが私だから信頼性に欠けること甚だしい)

 その麒麟は近年、細かい藝に熱心らしい。
 サッポロもサントリーもアサヒも同じやうなもので、記憶に誤りがなければ、先鞭をつけたのはヱビスたつたと思ふ。かういふ場合、私は確認を取らないから、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には宜しくご自身でお確かめあれ。
 シルク・ヱビスや琥珀ヱビスがそれで、主力銘柄のヴァリエイション作りである。厚みがあつて重くて、香りの高く割高感のつよいヱビスの云はば"取つつきにくさ"を払拭するのが狙ひだつたと思はれて、それは(少なくとも)(一定の)成功を収めたと云つてよい。さうでなければヱビス自身がその方向を継續しなかつたらうし、他の各社が追随もしなかつたらう。
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 (ここでひとつ思ひ出した。オリオン・ビールは少なくとも10年前に季節限定で"一番桜"と"夏いちばん"といふヴァリエイションを出してゐた。もしかすると先鞭には到らないとしても、原形のやうな位置づけはオリオンの栄誉になるかも知れない。序でながら沖縄オリオンは發泡酒なども含めて、意外なくらゐヴァリエイションの開發に熱心な会社である)

 我が(もしくは我われの)麒麟もさういふ流行に目を瞑れない。但し会社の性格なのだらう、動きが如何にもにぶかつた。いや鈍いのではなく慎重だつたのかも知れないが、この辺りの鷹揚さ加減は何となくニコンが連想される。この稿では麒麟ニコン相似説については踏み込まない。

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 えーと、さう、麒麟の話。
 ヱビスの示した方向に各社は乗つて、サントリーはプレミアム・モルツの、アサヒはスーパードライのヴァリエイションを用意してきた。その用意の仕方がまたヱビス式に、芳醇とか爽快とか想像が出來さうに思ひきや實はひどく抽象的な方向で印象であつた。この点で麒麟を褒めていいと思はれるのは、"初摘みホップ"といふ判り易さでこの方向に乗り出したことだらう。限定的且つ季節的、然も一番搾りの銘柄を不明瞭にせずに済んだのは工夫だつたと思ふ。
 その非不明瞭路線の新機軸が画像の大阪づくり東京づくりである。尤もそれぞれ神戸と横濱の工場で醸られてゐるから、些か矛盾といふか疑問が残らなくもないが、さういふ点に拘泥するのは野暮な態度なのだらうな。それにこの"○○づくり"は各地の種類があるらしく、確かに横濱づくりは(ここで疑問。津田沼づくりや足柄、府中づくりはあるのか知ら)あつた。地元への愛着が刺戟される巧妙な發想ではありますまいか。

 さうなると気になつてくるのが、知らない地域の○○づくりで、仄聞するところによると広島づくりがあるらしい。ここで広島が登場するのは如何にも唐突だけれど、一応の理由がないわけではなく、吉田健一が広島で一献を傾けた時、麒麟の広島工場で醸られた…醸りたての麦酒をえらく褒めてゐたからである。いや広島に限らなくても出來たての麦酒がうまいのは当り前なのだが、尊敬する偉大な呑み助が褒めてゐるとなると、値うちが高まつてくる心持ちにならないだらうか。
 それにあすこには牡蠣がありお好み焼があり、居心地のよささうな呑み屋もあるらしい。自慢のあてを頬張りながら、広島づくりを呑み干すのは随分と愉快な時間になるだらう。唯ひとつ不安なのは、タイガース・ファンでベイスターズ贔屓の私が、あつさりカープに魂を賣り払ひやしないかといふ点なのだが、これ計りは實際にその場で呑んでみないと解らない。
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by vaxpops | 2016-07-25 07:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(2)

1955 体つき

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はと胸。
出つ尻。
長い胴に短い足。
少し緩んだお腹。

踊りの衣裳はさういふ小父さんの体つきによく映える。

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by vaxpops | 2016-07-24 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

1954 少年の無念

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 ハイネケンも生ビールも。
 サワーもハイボールも。

 オリオンも島酒も。

 あと10年の辛抱だ。

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by vaxpops | 2016-07-23 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

1953 高い場所

 さ。
 あつちを見てごらん。
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 お父ちやんの背中は広く、その肩は空に近いくらゐ、高いのだ。
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by vaxpops | 2016-07-22 08:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(4)