いんちきでさらにマクガフィン

by 丸太花道@乳軟部
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 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、これくらゐ、呑みますよね。
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# by vaxpops | 2017-03-18 09:36 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

實々下田行③朝ごはん

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 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、予告通りの"幕の内辮当"なんである。
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# by vaxpops | 2017-03-18 09:18 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

實々下田行②乗つて直ぐ

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 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、いただきます。
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# by vaxpops | 2017-03-18 09:07 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

實々下田行①小田原から

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 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、お早う御坐います。
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# by vaxpops | 2017-03-18 08:51 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

遠足の前の日

カメラにおやつ。
タオルと充電器。
お財布と切符と。
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ええと、それからわくわくの気分。

忘れちやならない替へのパンツ。

待つてゐろよ、明日、行くから。

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# by vaxpops | 2017-03-17 07:45 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)

手羽胡麻

 元とか先とか、さういふ部位はさておいて(先の先なんていふのもあるさうですが)、手羽はうまいですな。焼いても揚げても間違ひがない。最近、黒胡椒をまぶしてある手羽を即席豚汁の味噌で炊いてみたのだが、思ひのほか惡いものではなかつた。手羽そのものより、濃い味噌汁を食べる感じにはなつたけれど。ただ手羽を炊くなら矢張り、甘辛く煮詰めるのが常道でありませう。一体に私は甘辛煮きといふのが好物なんです。ごはんのお供に宜しく、麦酒のつまみにもよく似合ふ。それで手羽の甘辛煮にはどうしたつて白胡麻が慾しくなる。この場合に限つては刻んだ青葱だとほんの少し不満が残る。肉のやはらかさに胡麻のはぜる感じが混ざるが好もしいのか知ら。
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 手羽は骨まで丹念にしやぶるのが望ましい態度なのを忘れてはならない。
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# by vaxpops | 2017-03-16 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

 どうも我ながらにぶいなあと思つた話をする。寫眞の話。
 丸太の表藝が文章だといふのは以前から公言してゐるから、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にはご存知でせう。出來の評価はなさらなくてかまひませんよ。落ち込むのは明らかだから。
 併しこれもご承知のとほり、この[いんちきばさら]では使ひ廻しも含め、画像を多用してゐる。義務感があるわけではないが、習慣的…もしかして半ば機械的となつてゐる風には思ふ。自慢にはならないよね。とは云へ、画像抜きで[いんちきばさら]を書けないのかと訊かれたら、そんなことはないですよと応じられる程度に自信はある。更新が月二回くらゐに減りさうだけれど。

 それで先日ふと、おれはどうして画像を使ふんだらうと考へた。二本目の罐酎ハイを呑みながらだつたと記憶するが、それがドライだつたか檸檬だつたかは抜け落ちてゐる。

 最初に浮んだのは寫眞が好きだからといふ理由だつたのだが、説得力に欠ける。改めるまでもなく私の寫眞は他人さまに自慢出來る代物ではないからで、呑み喰ひの記録乃至報告は兎も角、寫眞それだけで成り立たせるだけの強靱さまでは持合せてゐない。謙遜でも卑下でも劣等感でもない、これは事實である。それにさういふ寫眞を見た時に感心はしても羨望は感じないから、まつたく向上心に欠けてゐるよ貴君と叱られるかも知れない。

 お叱りは甘受しつつ事實はさうなのさと呟きながら、もう少し考へると、居直りも含めて寫眞を出したいのだといふ、ある種の顕示慾があるのかと不安になつた。不安がをかしければ疑念でもいい。目立ちたくない、世間から身を潜めたい、隠棲したいとは思はないが、おれの寫眞を見ろと思はないのも本心だから、そこに顕示慾が入り込んでくるだらうか。偶々たれかの目に留まつて、その偶々のたれかが面白がつてくれれば、概ねは満足だよな、おれは。さう思ひ到つて、これも正しくはないだらうと結論づけた。

 我ながらにぶいのはここで、どうして表藝ではない寫眞の方向から考へたのか。前提といふか、出發点がそもそも誤つてゐたのです。
 私が寫眞乃至画像を撮るのは何故か。色々と事情はあるが、今の時点で最も大きいと思はれるのは記録乃至記憶。脳細胞が滅びつつある毎日、外部にその一部を委ねる為の手段が寫眞乃至画像なんである。常用の手帖と近いですね、扱ひが。

 さういふ扱ひをしてゐる寫眞だから、文章の中にあしらふ場合、それは主役にならない。書きたいこと(大したものでないのは我が親愛なる讀者諸嬢諸氏のご存知のとほり)を強調さしたり、明示(或は暗示)さす小道具である。だから仮になくても[いんちきばさら]は書ける。あれば便利。それがどうやら丸太の寫眞使ひらしい。もう少し簡潔な譬喩を試みれば、文章の補助線か。
 うん、我ながら惡くない譬へだと思ふ。文章を寫眞の説明にしない。と格別に意識をした、してゐるわけではないが、結果(の多く)がさうなのだから、"丸太の寫眞補助線説"には割りと説得力がありさうな気がする。併し多少なりとも冷静であれば、こんな分析の必要はないわけで、矢張り私は些かにぶいと云はざるを得ない。
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# by vaxpops | 2017-03-15 07:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

順序

 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏は馬鈴薯をお好みだらうか。ポテトと呼んでもじやが芋と呼んでもいいけれど。私は好もしく思つてゐる。眞面目に自炊をしてゐた頃、こまつた時は馬鈴薯を賽の目に切つて湯がき、冷ましてから、三個分の溶き卵と牛乳に混ぜ、焼いて喰つた。イスパニヤ風がこんな感じだと話に聞いて、眞似をしてみたのだ。皮向きと賽の目切りが面倒なくらゐで、焼いて仕舞へば、ケチャップでもウスター・ソースでもマヨネィーズでも醤油でも喰へる。尤も本もののスパニッシュ・オムレツは見たことがなかつた。いやもしかすると今もスパニッシュ・オムレツに縁はないかも知れないか。

 初めて馬鈴薯を食べたのは何でだつたらう。母親の作つたカレー・ライスか肉じやがだつたにちがひない。續くのはカルビーのポテト・チップスで、父親が一時期ひどく熱中してゐたから。晩酌のキリンビール(ラガーの中瓶)にあはせてゐた。残つた分は細かく砕いてふりかけのやうにごはんに乗せた。あれは倅ながら不思議な光景だつたなあ。程なく熱中の対象は大蒜の蜂蜜漬けに移つたから、眞似をするには到らなかつたけれど。その後がマクドナルドのフライド・ポテトだつた気がする。うら若い讀者諸嬢諸氏は知らないだらうが、四十年近く前の当時のマクドナルドは非常に豪華な食べものだつたのだよ。

 思ひ出すと私の家では馬鈴薯をさうさう使はなかつた気がされる。記憶にあるのは上に挙げたくらゐで、次に登場するのは二十歳前後、ステイク屋で喰つたつけあはせ…皮つきを丸ごと蒸かしたやつまで待たなくてはならなかつたもの。あんまり旨いとは思はなかつたな。馬鈴薯が惡かつたのか、料り方が雑だつたのか。両方だらう。安いステイク屋だつたしね、今さら文句は云はない。なのに偽のイスパニヤ・オムレツに挑んだのは、廉価で簡単さうに思へたからだ。その頃の私は生れて初めて、自分で食事の支度をしなくてはならなかつた。追ひ詰められたら馴染まない食べものでも使はうといふものさ。

 併し馴染まない食べものは食べないから馴染まないだけの話で、それもまつたく無縁ではなかつた。要は私が知る馬鈴薯の食べ方はごく狭い範囲だつただけのことで、ある知人に云はせると

「獨逸人は馬鈴薯を喰ふ。何故か。あの國では我が邦のやうに米(即ち一種の完全食品)を栽培出來ない。かれらは國土に適つた作物であるところの馬鈴薯を作り、食べざるを得ない」

のださうで、本当か知ら。知人はゲルマン人を揶揄ふことに無上の歓びを感じる人物だから、どこまで信じていいか、議論の余地はある。但し獨逸風の料理でザワークラウトと馬鈴薯を欠かされるのは、ごはんとお漬物のない日本の食事のやうではありますまいか。

 詰り馬鈴薯は獨逸人を歓ばせるくらゐ旨いと見立てることも可能で、旨く喰ふ為の工夫だつて怠らなかつた筈で、さういふ努力は英國人も米國人も怠らないだらう。ひとが住み着いた地域には必ず旨いものがある。さうでなくては生きてゆけないからと喝破したのは檀一雄で、あの流浪家兼小説家は言葉が正しく示す雑食家だつたから、その言は信頼に値する。だとすれば馬鈴薯がそして馬鈴薯の料理が我われの舌を歓ばせして、何の不思議もないでせう。揚げて焼いて蒸かして煮て、食事につまみにおやつに、塩からく醤油の香りで時にほの甘く。栄養分が仮にお米には劣るとして、大した問題ではなささうに思はれてくる。
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 さういふことを考へながら、画像の馬鈴薯料理("新じやが芋のチーズ焼"だつたと記憶する)を喰つた…ならば恰好がつくのだが、後から見て思ひついたのが實際である。世の中はうまくゆかないものだなあ。

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# by vaxpops | 2017-03-14 07:30 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

讃歌

こまつた時は鯖味噌罐に頼る。

素早く更に云ふと安直に頼る。

安直で旨いのだから仕方ない。

廉な購入が出來るのも有難い。

湯煎すればもつとうまくなる。

湯煎しなくてもうまいけれど。

鯖はごはんのお供、麦酒の友になるし、味噌にはマヨネィーズを混ぜるだけで、和風のドレッシング擬きになる。

精々が百円位だから贅沢ではないとして、直ぐに飽きる味でなく、メーカーで微妙或は大きく異なるのも宜しい。

些か下品に直箸で、またはお皿にあけて形だけは調へて、どちらも鯖味噌罐を味はふには望ましい態度であるか。

鯖と味噌と罐の麗しい合一よ。

豪奢でなく華麗でなく美味の。

心急く空腹にひと罐のあらば。

甘辛く堅くやはらかな肉と骨。

箸を持ち麦酒を開けるその時。

貧寒の夜は居酒屋へ姿を変ゆ。
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# by vaxpops | 2017-03-13 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

虚々實々の下田行⑧

 どうも我われには土地や道を自分の目に寫る姿で理解する癖があるのではないか。勿論それで不便が生じる筈はなく、いや当然のことでもあるのだが、土地も道も昔と現在が同じとは限らない。これもまた当り前の話。同じとは限らなくなる理由はひとつに天然…たとへば土砂の堆積…、ひとつに人工…たとへば運河や埋め立て…、或は経産業や人口の変化が思ひ浮ぶ。喧騒をきはめた町が世紀を跨いで閑散とした風景になることも、寒村がいつのまにか繁華になることも有り得るし、また實際にもあつて、往時を偲ぶのは簡単な趣味ではないのだなあ。

 往時で思ふのは輸送で、二百年も遡ると陸路と海路しかなかつた。大規模な輸送に限れば船になるわけで、我が邦では殆ど發展が見られないが、それでも千石くらゐの規模の船(但しその構造は徳川が巨大船をきらつた背景もあつて可也り原始的。どうもあの政権は臆病を重く見てゐたらいしね)が、近畿を中心に九州と東北北海道を廻つてゐた。その廻船は日本海側が主だつたらしく、米に布、干物、油、さういつた種々と非公式な海外の品物が動いてゐたさうだ。江戸の半ば以降、日本の経済は大きな纏りを持てて、それは船が作つたと見立てるのは強ち誤りではないと思はれる。

 併し船の原型は矢張り漁船ではなからうか。字にすると船ではなく舟。食べる為の手段であり、時に皮で靴や衣服、骨で針などを作りもしたにちがひない。我われのご先祖はきつと川つぺりや河口の近くでおづおづと漁業を営んでゐたらう。さうでなくては漁船が貧弱だつた理由は考へ辛く、裏を返せばその程度の規模で喰ふには困らなかつたと想像も出來る。その規模を大きくしたのはひとつに貢税(鯖街道を思ひ出し玉へ)、もうひとつが経済圏の拡がりだつた筈で、港町はさういふところから生まれたのだらう。

 無理やりであるのは認めるとして、序盤からそれなりに繋がつてゐるでせう。もう少し頑張りますよ、ご期待あれ。

 詰り港町と云へば下田なわけで、熱海や早川の立場はどうなると訊かれさうだが、この稿は"虚々實々の下田行"だから、敢て目を瞑る。そこで下田の歴史を俯瞰してみたいのだが、意外とさういふ資料が見当らない。直ぐに解るのは日米和親条約に基づいて函館と共に開港された事、それ以前は廻船の寄港地だつた事くらゐ。後はざつと七世紀末頃に伊豆國が成り立つてから、十二世紀末の源頼朝の韮山挙兵、十五世紀末に伊勢新九郎(後の北条早雲)の登場、十六世紀末の豊臣秀吉の小田原攻めを経て、徳川政権下では天領となる。そこから二世紀半が過ぎると、現代の下田が観光の自慢とする幕末の激動期。ペリー提督やハリス公使、唐人お吉、吉田松陰の密航企てがざつと二十年の間に詰め込まれてゐる。

 漁港はどこにいつた。

 どこも何も、かういふ地域史は中々表…目立つ場所には出にくいからで、たとへば新潟の農業史を知りたい(水害と灌漑の歴史でもある)と思つても、ざつと解るのは近代以降、あまく見ても江戸期辺りからで、もつと大きな俯瞰図が慾しければ図書館で専門書を捜さねばならないだらう。手元にさういふ本があれば、引用しつつ偉さうな態度を気取れるのになあ。ただ天領だつたまたはそれ以前の下田と現代の下田は様相(土地や地形や道筋)は確實に異なつてゐると想像出來て、漁港或は寄港地としての有り様は別に、その差異は気になるところである。
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 そこで便利だらうと思つたのが古地図。京坂や江都にはさういふものが沢山残つてゐて、それを使つた書籍やスマートフォン用のアプリケイションも色々ある。實際に歩く時は現在の地図と照合しながら使へるのが好もしい。もしかするとたつた今、歩いてゐる場所が古地図の当時はたれかの屋敷だつたり田畑だつたり海だつたりするのを確かめられるのは単純に樂しからうし、町割りのちがひが見えれば、その土地の發展や衰退が浮んでもくるだらう。往時茫々の感慨に耽るのは年寄りじみた趣味にも見られかねないが、賑々しい観光の目玉だけをその土地の魅力とするより、多少はましだとも思へる。ただここまで調べた限り、下田のそれが見当らない。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏に、さういふ書籍なり何なりをご存知の方がをられれば、ご教示をお願ひしたい。

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# by vaxpops | 2017-03-12 07:00 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

さういふものだぜ

 以前から何度か触れてゐるけれども、私は所謂スナップ寫眞を非常に苦手としてゐる。
 ひとの姿があるスナップとなると、まつたくのところ避けてとほりたくなるくらゐに。
 勿論たれかが撮つたそれを観るのは別で、感心させられることも決して少なくはない。
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 云つておくが何が何でも撮らないと云ふのではなく、これは一枚撮つておきたいと思はされる場面もあるわけで、さういふ時はおづおづと、或は大慌てでカメラを取り出すことになる。尤もおづおづ乃至大慌てなので、撮つても後から見て(私はデジタルカメラでも撮つた直後に確認する習慣を持たないのです)、九分九厘失敗になつてゐる。

 スナップはさういふものだぜ貴君と微笑まれたら、言葉を繋げなくなるのだけれども。

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# by vaxpops | 2017-03-11 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

無念の韮玉

 韮玉はお店…といふか、作り手によつて、出來上りのちがひが少なくない、中々不思議な食べものではないでせうか。一ばん意外だつたのは、韮を刻み込んだ溶き卵を厚めに焼き、千切りキヤベツに乗せてケチャップをあしらつた仕立てで、お好み焼のやうな感じだつた。

 多くの場合は併し、溶き卵を甘辛いお出汁でやはらかく…玉子丼よりやや堅めくらゐか…煮て、仕上げに韮を混ぜ込んだものだと思ふ。見た目で判断すれば、ごく単純なひと皿なわけですが、他の単純な(いや単純に見える)料理と同様、作り手の癖や好みがはつきり顕れるものです。

 第一にお出汁の味つけ。甘みが強調されてゐるのと、醤油辛さが立つてゐるのとに分けていいでせう。前者は七味唐辛子との相性が宜しく、後者はそのままで食べたい。

 第二には玉子のやはらかさ。玉子丼よりやや堅めと前述したが、玉子焼きのやうな堅さに近いのと、玉子丼のやうな柔かがあつて、良し惡しではないとして、私は後者を好む。

 第三に韮の使ひ方もあるね。玉子に混ぜた風なのと、別にあしらつた感じのと。刻み方で変るのだらうか。私は食べる一方だから事情は全然ちがふかも知れないけれど。

 玉子と香味野菜が好物なら、韮玉は欠かせない一品なのは疑ひの余地はない。それに色々と書きはしたけれど、どんな風な仕立てでも韮玉はうまいではありませんか。麦酒や焼酎(酎ハイもこの際含めませう)によく、ホッピーにも似合ふ。
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 尤も韮玉に一ばん適ふのはごはんですね、矢張り。残つたお出汁にひと口はふり込み、お匙でかき混ぜて、綺麗に平らげれば、後のかけ蕎麦もラーメンも不要である。断然うまいにちがひないのだが、私の知る限り、さういふ眞似が出來る呑み屋が見当らない。まつたく残念だなあ。

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# by vaxpops | 2017-03-10 06:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

フヰルムカメラで遊ばう

 第一にフヰルムカメラは事實上、滅んでゐる。
 第二にフヰルムカメラを私は、隠居してゐる。
 なのに"フヰルムカメラで遊ばう"と云ふのはどうも烏滸の沙汰ではないかとも思はれるが、さういふ些細な点に拘泥するのは我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ…この際あまく見てもらひたい。

 最初に考へるべきは"事實上、滅んでゐる"点で一部には反論もありさうだが、数奇者向けだけが残つてゐると見立てるのは誤りではない筈だし、数奇者は常に少数派でもある。さういふカメラは絶滅目前の野性動物と同じで、人工的に繁殖させる企てを継續させなければ消え去つて仕舞ふ。ただ数奇者相手の商ひでも商ひとしては残つてゐるから、その気になればフヰルムカメラを使へなくはない。割高だし不便でもあるけれど。
 不便といふのは商ふお店の激減と、そこで必要な時間が激増したことで、簡単に云へば撮つたその日の内に、その日の寫眞で遊びにくくなつた。逆に云へば、時間を掛けるのを前提にすれば、フヰルムカメラの遊びはまだ成り立つ余地がある…と書くと、前提が何かをかしくないかと感じるひとが出てきさうに思はれる。
 そこで説明すると私の属するニューナンブは"スーパーどんたく"でフヰルム対決をするのが慣例だつた。一本のフヰルムを半日掛りで撮影をして、当日の現像プリントに出し、その夜の肴にする趣向である。デジタルカメラのやうにその場で画像を確認出來ないのを逆手に取つてゐて、互ひに何を見て、どんな寫眞になつたのかが、何時間か後になつて判るのがいい肴になる。それが前述の事情で實施が六づかしくなつた。フヰルムカメラを隠居した私だから、デジタルカメラに移行していいのだが、それだとこの稿が成り立たない。

 カメラ…寫眞を始めたのは四半世紀余り前だつたのを思ひ出した。その頃の私にはおつき合ひをしてゐた女性がゐて、デートの際には必ずカメラを持ち出したのはいふまでもない。あちこちに出掛けては寫眞を撮つて、プリントを次のデートで見せる。彼女はその中で気に入つたのを何枚か撰ぶから、それをプレゼントする。あの寫眞はどうなつてゐるのだらう。かうして文字にすると恥づかしいね。
 恥づかしいが、デートと次のデートの間も云はば寫眞の樂しみだつたのではないか知ら。その場で一緒に液晶画面を覗きこめるデジタルカメラの樂しみはそれとして、プリントを家で見直しながら、どれが気に入られるだらうと考へるのは、何だか幸せな気分だつた記憶がある。都合よく修正が掛つてゐるだらうとは思ふが、そこを自分で認めると身も蓋もなくならうと云ふものだ。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には、丸太にもそんな時期があつたのだねと微笑むに留めて頂きませう。
 ここで考へたいのはフヰルムで撮ると待たなくちやあならないのだが、その待ち時間はデジタルカメラでは味はへない点。では待ち時間そのものを、やむ事を得ないのではなく、その一面は認めるとしても寧ろ、積極的に遊びの要素とするのがよいのではないか。撮るのと現像プリントと見るのを分ければ樂しみ…肴にする機会を増やせるでせう。もし撮る時間自体が長大になつても、その長大な時間が記録乃至記憶に変ずる(可能性或は期待がある)わけで、間延びするだらうか。併しフヰルムカメラ一台ですべてをまかなへはしないから、どうにかなるだらう、きつと。
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 と、ここまで書いた私は自縄自縛の危険を感じてゐる。

 フヰルムカメラの徒花と呼んでいい規格にハーフサイズといふのがあつた。キヤノン・デミ、リコー・オートハーフ、コニカ・アイや京セラ・サムライ。そしてハーフサイズの原型、元祖で頂点のオリンパス・ペン。
 ライカ判の半切で使ふカメラなので、フヰルムの撮影可能な枚数に対して倍の数が撮れる。長い時間を掛けて撮るなら、かういふカメラの方がプリントの段階で面白がれる度合ひが高くなるのではないか知ら。正月に入れたフヰルムが次の正月まで残ると揶揄はれたカメラだが、まさかそこまで極端にはならないとしても、数ヶ月くらゐは必要さうなところが好もしい。
 オリジナルのペン系統なら(意外なほど重いけれど)持ち出すのに躊躇を感じない大きさだし、少し凝つた眞似をしたければペンFといふ、世界に類例のない変態…誉め言葉ですよ、念の為…カメラだつてある。
 ペンSと同Fは以前に持つてゐて、上から見た時の操作部位の配置がほぼ同じだつたのは非常に感心した。最初の設計が正しく、またスタイリングが優れてゐた證拠ですね、これは。知る限り、同じ方向性での成功例はライカとR1からGRに續くリコー以外になく、フヰルムの愉快と樂しみに設計とスタイリングへの敬意を加へれば、SでもFでもペンは有力な候補に成り得る。…のだがフヰルムカメラを隠居した私が、こんなことを考へ出すのはまつたくのところ、あやふい。
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# by vaxpops | 2017-03-09 07:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

虚々實々の下田行⑦

 特別急行列車の踊り子號はダイヤグラムが些かややこしい。通常運転と運行日限定便があるからで、ちよいと勘違ひをして仕舞つた。簡単に云へば3月18日は踊り子の105號が最も早い出立だと思つてゐたら、1本前の103號がその日は走ることになつてゐて、それを見過ごしてゐたんである。

「失敗つたね、貴君」

と頴娃君に笑はれたのは云ふまでもない。私が見た時のJR東日本の小田原驛時刻表(PC版)だと、踊り子103號は2月の週末運行で、3月の予定は掲載されてゐなかつたのが事情なのだが、詰るところは云ひ訳ですね、これは。

 その踊り子103號は小田原驛を8時58分に出立する。その時刻までにはプラットホームに立つてゐなければならず、移動時間を考へると新宿驛から小田急を利用するのが望ましい。小田原驛ではお辮当と麦酒を買ふ必要があり(特別急行列車に乗るのだ。乗車驛で買はなくてはならぬ)、喫煙者であるところの私としてはここで吹かしておきたくもある。かうなると半時間程度は余裕が慾しくなるわけで、新宿驛發が逆算される。

 ひとつはロマンスカー(ところでJR私鐵を問はず、特別急行列車に"~カー"と名づけてゐる例は少ないのではないか。私の知る限り後は近鉄のビスタカーと京阪のテレビカーくらゐである)を使ふ方法。7時丁度と同10分發があつて、小田原驛の到着は前者が8時13分、後者は8時27分。指定席で暢気に坐れるし、その気になれば素早く麦酒を呑めなくもないことを考へると、中々に具合が宜しい。但し運賃は具合が惡く、通常の倍ほども掛る。鐵道博物館で観たフヰルムでロマンスカーに用ゐられた高速化技術の一部が新幹線に援用されたのを知つてから、小田急を尊敬してゐるのだが、料金は残念ながら例外にせざるを得ないか。

 諦め惡く確かめると、新宿驛發6時51分の急行列車がある。小田原驛着は8時25分。ロマンスカーより20分ほど時間は掛るし麦酒を呑むのは躊躇はれるが、運賃の都合は宜しい。問題は私の朝で兎に角寝覚めが惡い。普段で云ふと6時40分に目覚しをかけるのだが、實際に起き出すのは7時くらゐでその間は布団の中でうつらうつら或はもぞもぞしてゐる。さういふ習慣が身についてゐて20分のちがひは大きい。果して間に合ふのか不安になる。これまでの経験から考へれば、スーパーどんたくの朝はさつと起きるのが通例なのだが、これが次回もさうだといふ保證はない。肌寒の朝の布団の中といへば魅惑の空間撰手権が開催された暁には、どう甘く見積つてもベスト8進出は確實であらう。

 そんな風に考へると、6時51分發の急行列車は優先される候補への位置づけに留まりさうな気がする。その積りなら布団の誘惑に敗北を喫したとしても、ロマンスカーなら何とかして呉れる。のではなからうか。
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 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にはいやその前に早寝をし玉へと叱られるかも知れないけれども。

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# by vaxpops | 2017-03-08 07:00 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

ありふれた

 竹輪。
 人参。
 それと赤ウインナ。
 ごくありふれた煮物…つき出しなのだが、ちよいと渋い好みだねえと思ひたくもなる。
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 尤もありふれてゐるのは我が邦の話だけかも知れない。ロンドンやパリやアムステルダムで一ぱいひつかけるとして、かういふ渋好みな小鉢乃至小皿は出てくるものなのか。鰻の肝やら身の欠片を甘辛く色濃く煮つけたのをつまみつつ、ギネスやバスのパイントを呑むのはきつと愉快にちがひないのだが。それともマドリッドに行かねばならないか。あすこなら烏賊や貝をオリーヴ油で炒めあげたつき出しに期待出來さうな気がする。さういふのをつつきながら、葡萄酒をがぶがぶ呑るのもまた、惡くない愉しみの筈である。
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# by vaxpops | 2017-03-07 08:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

不見転

 さう滅多にないが、不見転で呑み屋に入ることがある。知らない町中で呑みたくて堪らないと思はない限り。或は見知つた町でも気の迷ひで何だか通ひ馴れたお店で呑む気分ではない場合。繰り返すがさう滅多に感じることはなく、私くらゐの年齢になると、進取の気性が乏しくなるものだからやむ事を得ない。ただ些か開き直ると、何度も通ひたくなるお店はさうさう見つかるものではないし、それでなくても好もしさを感じる幅は狭くなつてゐる。詰りうまい肴、そこそこの酒精、快い客あしらひが揃つてゐなければ(それで廉なら云ふことはない)、宜しいものだと思へないのだから、不見転を極力避けようと考へるのは寧ろ道理ではあるまいか。

 それでも不見転で呑む夜をなくすのは、意外の悦びから離れることでもあつて、絶やして仕舞ふのは詰らない態度である。店構へ、暖簾の具合、中から漠然と伝はる匂ひ。それで稀におやと思へる時がある…かう書くと、もう少し具体的に書き玉へよ、君は文章が表藝なのだらうと云はれるのではないかと思ふが、確かに表藝と宣してはゐても、それと文章が巧いかは別の問題である。つけ加へれば職業文筆家でも、呑み喰ひに纏はる微妙な感情を記すのは三大困難のひとつ(残りは惡くちと下品る話題)で、信じられないなら近所の本屋で食べものに関はる文章に目を通してみ玉へ。サヴァラン教授や檀一雄、吉田健一といつたいはばクラッシックは例外だが、丸一日探してひとつ見つかれば上々だと断言出來る。それくらゐの難事を私のやうな浅學菲才が書けたとすれば偶然、いや偶然ではなく奇瑞に恵まれた結果である。
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 だから漠然のまま、兎に角おやと感じるお店が稀にあるのだといふことにして、そのおやと思つたのが果して正解だつたかどうか。それは概ね、お店に入つた時に素早く、愛想よく迎へて呉れるか…どうぞこちらへと席を勧めるのでも、どうぞお好きな席へと云ふのでも…で最初の印象が、こちらの様子を伺ひながら、何を呑みますかと尋ねる間の取り方で次の印象が決る。
 最後につき出しが口に適ふかで、ここが可也り大事な点になる。念を押すが別に趣向を凝らした小鉢を用意してもらひたいと考へるのではなく、かういふところを蔑ろにしないかどうか。私のささやかな経験から云ふと、つき出しが口に適へば他の肴も大体はうまい。うまいといふ云ひ廻しには無理があると思はれるかも知れないが、他に基準を用意する方がもつと無理になる。

 出汁の具合や火の通し加減。
 塩や胡椒や醤油の使ひ方。
 葱や木ノ芽のあしらひ具合。

 たとへばそんな風な細分化は出來なくもないとして、細分化したら解り易くなるとも限らない。一枚の寫眞、一回の演奏に心を打たれ、それを幾つもの要素に分割した話をして、伝はるものだらうか。化学の分野なら兎も角、何が何%といふ手法を呑み喰ひに応用するのは些か強引に思へる。色々の渾然がつき出しの旨さ…そこから期待される肴の旨さの素で、そこにはその夜の気分やら空腹の具合、或は晝に何を食べたか、また独りなのかたれかがゐるのかが含まれるし、それらで大きに変化する。それらが塩梅よく一致した時、不見転だつたお店はその町に足を運ぶ機会には通ふべき一軒へと進化する。さう滅多にないことで、うむ合格だと呟けた夜はその町の格まで上がる。
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# by vaxpops | 2017-03-06 07:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

二重の疑念

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 やる気があるのかと疑念を抱きたくなる。

 ただ"食べればハッピー めでたい"の惹句で使はれてゐる活字の

『まあこの程度でかまはないか。といふか他の活字、よく知らないしね』

感覚は、寧ろ感心すべき箇所かとも思はれて、となるとこれは巧妙きはまる包装なのかと別の疑念が浮んでくる。

 まさか、ね。
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# by vaxpops | 2017-03-05 07:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

横たはる

月が眠る。
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といふのが大嘘なのは我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にとつて自明の筈で、瓦斯コンロの火なのでありますよ、これは。

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# by vaxpops | 2017-03-04 08:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)

虚々實々の下田行⑥

 予定といふ熟語は予メ定ムの意である。

 対して未定は未ダ定マラズの意である。

 詰り俗に云ふ"予定ハ未定"は矛盾してゐる。だからいけないと鼻息を荒くする積りはない。一体に言葉遣ひは保守的過ぎるくらゐで丁度よいのだが、洒落にまで…出來は宜しくないけれど…目くぢらを立てる必要もありますまい。

 併し實際問題として、予メ定メタ筈の諸々が激変することも、世の中にはあるわけで、詰り下田行が下田行だけではなくなつて仕舞つた。頴娃君には困つたものだが、焚きつけたのは私だから、私もまた困つたものなんである。かう書いたつて何のことか判らないでせう。ちやんと説明するので、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、ご安心あれ。

 ニューナンブでは宿泊を含めた遊びを"スーパーどんたく"と呼称してゐる。普段の酒席はスーパーがつかない"どんたく"で、覚えなくても人生で損をする心配はありません。
 その"スーパーどんたく"は一泊が基本。十一月の甲州方面行は例外扱ひで、この三年ほどは二泊を採用してゐる。リアルタイム更新を漠然と覚えてゐる方も、をられるだらう。あれは中々面倒な上、スマートフォンのバッテリとの睨めつこにもなるし、画像の保存容量も厳しい事情もある。そろそろ打止めていいかと思つてゐるのだが如何ですかね。
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 [いんちきばさら]の話ではなかつた。さう、困つたものの経緯。
 如月の十七日は金曜日で、[御苗場2017]の詰めでもあつた。頴娃君共々最終的な買ひ物を済ませてから、新宿は歌舞伎町近くの某居酒屋で呑んだのだ。その時に普段から持ち歩いてゐるコンパクト・デジタルカメラを忘れて仕舞つた。それは週明けに戻つたのだが、その前に頴娃君から連絡があつて、曰く

 「三月十九日、手配が出來た」

といふのである。何を云つてゐるのか、判りますか。私はさつぱり判らなかつた。忘れ物を受け取らなくてはいけない気持ちが強かつたのもあり、またぞろ何やら進めたかと考へたといふのが正直なところ。ところでカメラを無事に取り戻した時に、待てよと思つた。
 金曜日に遡つて更に思ひ出すと、確か下田行を二泊にするのはどうだらうと話が出た筈だ。それでどうなつたか知ら。がらくた箱になつてゐる記憶を引つ繰り返したら、あ、と聲が出さうになつた。頴娃君の勤め先は立派な会社だから、保養所を持つてゐる。その中のひとつが熱海にあつて

 「そんなら下田で一泊してから、熱海に足を運ぶのは、どうだい」

うむ、云つたね、確かに。
確かに、云つたよ、私が。

 すつかり(またはすつぽり)記憶から抜け落ちてゐた。忘れ物がなかつたらきつと、頴娃君を詰問したところで、まつたく危ふいところだつた。その後の二月二十二日は水曜日で、[御苗場2017]の搬入日だつた。会場から関内驛へ帰る途中、ふと目に留つた呑み屋があつて
「これは、貴君」
「期待出來さうな匂ひがするね」
と暖簾をくぐつたら、果して正解だつた。女将さんに愛嬌があつて、肴も實に宜しい。麦酒がスーパードライなのは感心しなかつたが、順正といふうまい銘のお酒があるから、なだらかに移れると考へれば問題にはならない。その順正で〆鯖をつまみながら私は自分の勘違ひを謝した。あやふく詰問しかねなかつたと云ふと、頴娃君は大笑して
「すりやあ、ひどい目に遭ふところだつた」

 さういふ経緯があつたから、我われが乗る特別急行列車は、小田原驛發の踊り子號と下田驛發の(スーパービュー)踊り子號への変更が施され、その結果、この"虚々實々の下田行"といふ題は正確さを欠くことになつた。併し今さらたとへば"虚々實々の下田と熱海"に変更するわけにもゆかないでせう。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には寛容をもつておつきあひを願ふ。
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# by vaxpops | 2017-03-03 07:00 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

たとへば夜の

 カメラ任せで寫真を撮ると、時々勝手に高感度で動作することがある。
 さうしたらざらつと仕上がることになつて、まあ当り前の結果ですね。

 そのざらつとは決してきらひでなく、優秀な現代のデジタルカメラだと、さういふ結果には中々なりにくい。
 寫眞が滑らかに、シャープに出來上るのが望ましいのは改めて云ふまでもなく、だからさうなりにくいのを喜ばしく思ふのもその点からすると尤もな気持ちであらう。併したとへば夜の町…エロチックな意味に取つてはいけませんよ…を寫すとして、粗くざらついた感じが寧ろしつくりする場合もあるもので、あのちがひはどこに由來するのか知ら。

 まあ私の好みの話でもあるから、信憑性には欠けるけれども。
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 序でながらこの画像は、晝間の一枚である。

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# by vaxpops | 2017-03-02 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)
 二月は逃げた…丸太花道賞である。

 何故かと云へば散々お知らせした[御苗場2017 横濱]があつたからで、慌ただしいといふより、落ち着かない時間だつたと今になつては思はれる。
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 さういふ事情があるから、今回は一気に發表。

・[御苗場2017 横濱]にお越しくだすつたすべての方々。
・横濱関内の某居酒屋での肴と客あしらひ。

 に丸太花道賞を進呈する。
 そして今月は年度末、[虚々實々の下田行]の月でもある。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、弥生も懲りずに、ご贔屓を賜はりたく、御願ひ奉る。

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# by vaxpops | 2017-03-01 10:15 | 丸太花道賞 | Trackback | Comments(0)

つん

 春の聲が近づいた候に酢味噌和へを見かけると註文せざるを得ない。ことに菜の花と酢味噌は出会ひもので、まつたくあのほろ苦さは嬉しいものではありませんか。
 ただ肝腎の酢味噌で首を傾げさせられることが少なくなく、ちよつとがつかりする時もある。この辺りはもう好みになるのだが、こんな時に好み以外の基準を設けても話が進まない。

 何故首を傾げるといへば、甘みがきつく感ぜられるからで、砂糖だか味醂だかが多いのだらう。味噌の舌触りに酸味と芥子が渾然となつてゐるのが酢味噌の嬉しさだと私は思つてゐるのだが、かういふ好みは古めかしいのか知ら。尤も古めかしい酢味噌は絶滅したわけでなく、偶然に頼る面が大きいとは云へ、画像のやうな酢味噌和へを出して呉れるお店もあるもので、その偶然がかへつてうまさを際立たせる。
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 こごみと独活。
 芥子の利かせ方がまつたく絶妙で、香りと辛みがつんと鼻を抜けるのを、こめかみを押さへながら味はひ、冷酒をふくむと、春の幸せもきはまつた気分になれる。
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# by vaxpops | 2017-02-28 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(2)

祭の終り

 2月26日の17時をもつて、[御苗場2017]は閉幕した。ご來場くだすつた諸嬢諸氏には厚く御礼申し上げる。

 3フロアにまたがる巨大な展示群の中で、ひとまづ目をとめてもらはうとする目論見は失敗ではなかつた、と思はれる。但し諸々を詰め切れなかつたのもまた事實で、惡く云へば中途半端。甘く云つても"意余つて力足らず"だつた。

 この反省を次回に、と眞面目な寫眞愛好者なら考へるだらうし、その態度は正しくまた好もしくもある。併し私は不眞面目な寫眞愛好者で、寫眞は自分の表藝ではないことも知つてゐる。今後暫くは、展に関はることはないだらう。

 他の出展寫眞については触れない。私の能力に余るし、大体数が多すぎる。そして出展者でなく來場者としてみると、きつとそれぞれにあつた筈の狙ひが何となく判つたものと、さうでなかつた展示があつたのは確かである。

 寫眞が寫眞だけでなく、展示の手法に左右されるのは当り前の話ではあるのだが、その具合は實際に出してみないと掴みにくい部分がある。狙ひを察せしめた展示は、その掴み方が巧かつたのか知ら。数をこなして解ることなのだらうな。

 "マスケティアズ"名義の活動は、これでひとつの区切りとなる。それに伴つて"ポルトス"丸太も眠る。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、改めて厚い御礼と共に、心からのご挨拶を申し上げる。
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# by vaxpops | 2017-02-27 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(6)

 "掌を返す"といふ言葉には厭な響きがある。我が儘にエゴイズム、或は裏切りや変節に繋がるやうな語感。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、さういふ態度はお互ひに避けねばなりません。併し私には割りとその掌を平気でくるくる返す癖があるのも事實で、変節漢の謗りを正面きつて受けてゐないのを不思議に思ふ時もある。人柄ゆゑでないのは明らかだから、色々騙されてゐるのだらう。意図してゐるわけではないから、変節漢は甘受しても詐欺師とは呼ばないで頂きたい。

 何故かういふ書き出しになつたかと云ふと、[空腹に唐揚げ]で鶏の唐揚げを絶讚した殆ど直後にそれを引つ繰り返すのが今回だからで、矢張り獸肉は牛がうまい。鋤焼きやしやぶしやぶといつた薄切りでは駄目で、ある程度の分厚さを持つた、出來れば塊に近い方が好ましい。脂はあつていいとして、さしの入りすぎたのにはそそられない。鮪でもさうだが、近年の我が邦では脂信仰が甚だしくつて、本來ならひと切れかふた切れあれば十分なのに、ああまで有り難がる背景には、どんな事情があるのか知ら。
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 牛肉を存分に味はふなら、矢張りステイクやロースト・ビーフが嬉しいと思ふ。かういふ料理なら英國人が最も巧妙なのではなからうか。佛國人は海峡を挟んだあの島國人をビーフ・イーターと揶揄つたさうで、それを受けた英國人はビーフ・イーター協会(だつたか)を設立したさうで、ここはどちらの立場で笑へばいいんだらう。どう転んでも一方から捲し立てられるにちがひない。間を取つてザワー・ブラーデンにしたら、両方から文句を云はれさうだし、國際関係はややこしいよ。

 なので島國と大陸や國際関係には目を瞑ることにして、ステイクまたはロースト・ビーフについて閑文字を續けるとする。閑文字だから我が親愛なる讀者諸嬢諸氏の役に立たないのは受け合つてもいい。何故かと云へばこれもご承知のとほり、丸太は莫迦つ舌の持ち主だからで、たれです、煙草を控へなさいと呟くのは。尊敬する丸谷才一先生も喫煙家(愛煙家だつたかどうかは疑はしい)だつたが、『食通知つたかぶり』といふ實に面白い本を書いてをられる。

 えーと、話が逸れさうですね。牛肉…ステイクまたはロースト・ビーフの話。

 火を通すのは塩味と並ぶ、人類最古の調理で調味だと思はれる。寄生虫や菌を殺すことで衛生が期待されるし、消化がよくもなる。生では食べられないものがこれで、我われのご先祖の食卓に並べられるようになつた。しかもかうすると生のままより格段に旨くもなる。人類の偉大な第一歩は月面への着陸の前に、火を使つた調理にちがひない。アームストロング船長は悔しがるだらうが、事實は事實だからやむ事を得ない上、二歩目だつて不名誉な話と呼べないし。

 ステイクで塩胡椒といへば何となく通人が連想される。"肉本來のうまさをどうかう"と云ひ出したら終りだけれど。グレイヴィに葡萄酒を加へ、味を調へながら煮詰めたのもいい。この場合はパンを忘れずに添へたい。お皿を綺麗に拭ふのは欠かすわけにはゆかない礼儀ですよ、礼儀。ソースを平らげるのも愉しみとすれば、いや實際愉しみであるのだが、ロースト・ビーフも同じでせう。檀一雄はロースト・ビーフとスモウクト・サモンが英國式料理のお気に入りらしく、何度となく絶讚してゐたのを思ひ出した。きつとかれはパン(もしかして馬鈴薯だつたらうか)をソースに浸すのを無上の悦びとしたにちがひない。

 そこで上等…といふのは高額の意でなく、好みに適ふ牛肉を食べるにはどうすればいいかと疑問が湧いてくる。もうこれは自分で何とかするのが最良ではなからうか。前述のとほり、私は脂を重視しないから、赤身でよい。それをバタで。塩と胡椒は控へ目が宜しからうか。
 以前はレヤーな仕上りを歓んだものだが、今はさうでもなくて、ミデアムの方が安心出來る。妙に凝つたソースは用意が六づかしいし、気が取られかねないから要らない。大蒜の香りと醤油の風味は慾しいかな。最初からお箸かホークで食べられる程度に切り分けておかう。味が濃い時の為に大根おろしを用意したく思ふが、さうなると牛肉に不可欠の馬鈴薯が似合はなくなるだらうか、些か心配である。

 後はちよつと気張つた赤葡萄酒でもあれば万々歳だが、その辺は財布と相談するしませう。人類最古の調理に人類の叡智の醗酵の組合せは、肉を味はふのに絶好と云ふべきで、鶏の唐揚げからまた豪胆な掌返しをしたなあ、と我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には呆れられるか知ら。併し掌は何べん引つ繰り返したつて、掌なんである。
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# by vaxpops | 2017-02-26 09:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

指示代名詞

 散らかして、撮つて。
 少し計り、加工して。

 これだけのことで、何となく思はせぶりでそれつぽくなるから、寫眞…画像といふのは不思議なものではありませんか。
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 もつと不思議なのは、それつぽいの"それ"が何を指してゐるのか、さつぱり解らないことで、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、これは一種の詐欺と考へる方が宜しからう。
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# by vaxpops | 2017-02-25 07:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

虚々實々の下田行⑤

 世の中には驛辮といふものがある。驛(の)辮当または驛賣辮当の略だと思はれるのだが、ここは驛辮でなくちやあ、しまらない。率直なところえらく割高だし、抜群にうまいかと云へばさうでもないのだけれど、特別急行列車に乗る以上、欠かすわけにはゆかない。それにうまいかと云へばさうでもないのは、特別急行列車に乗らないで喰ふ時の話で、そんな莫迦げた眞似をするひとは、さうさうゐないでせう。裏を返せば正しい状況…即ち特別急行列車の乗客となる場合の驛辮はまつたく樂しみだしうまいもので、驛辮を用意しない撰択は有り得ない。
 驛辮には名物と呼ばれるものとさうでないのがあつて、どちらかといへば私は後者を好む。名物驛辮は確かにうまいのだが、知る限り一点を豪華にする傾向(たとへば米澤牛)があつて、花やかさに欠けるきらひがある。驛辮はお辮当ではあると同時に麦酒のつまみにもするのだから、これではちつと困つて仕舞ふ。近所のお辮当屋で買ふなら食事とひとつと考へて済むが、驛辮のややこしさ肴の兼用が要求される点で、さうすると好もしく思へるのは幕の内辮当ではないか。かういふ話を随分以前にも書いた気がするが、仮にさうだつたとしても随分以前なのだから、もごもご誤魔化せばよいか。

 世界の鐵道でどんな種類の驛辮があるのか、私は知らない。ただ漠然と想像するに我が邦の幕の内辮当のやうに賑々しいお辮当は少ないのではないかと思ふ。美食と云へば佛國と中華が浮ぶけれど、かれらが食卓のお皿には熱情を注ぐのは容易に理解出來るとして、鐵道のお辮当に同じ熱を持つとは考へ辛い。パンに何かのペースト、ハムとチーズや、鶏肉とナッツを炒めたのに燻製か塩漬け、まあ精々がそのくらゐで、まづくはなくても羨ましくもない、そんな感じがされる。實物を食べたら、丸でちがふ意見になるかも知れない。
 併し我が邦のお辮当に対する情熱は大したものと云ふべきで、その辺で買へる何百円かのそれでもそれなりにおかずが用意されてゐるし、盛りつけだつて一応は気が配られてもゐる。その気の遣ひ方は、實に盆栽のやうな印象を禁じ得ず、美的な方向の終着点と思へる場所に着地したのが松花堂。桃山趣味…身も蓋もなく云へば寄席趣味に行き着いたのが幕の内辮当ではないかと思はれて、やうやく話が戻つてきた。長い道のりだなあ。

 ところでその幕の内辮当はまことに奇妙に思はれる。和食と呼べないのはまあ妥当として、日本食かと云へばしつくりしない。中華や佛國式でないのは当然だから、矢張り日本食の範疇に入れざるを得ないのだらうが、では日本食のどこに入れるのが適切か知ら。こんなことで頭を悩ませるのは閑な證なのはよく承知してゐても、気になるのだから仕方がない。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には眞似してもらひたくないね、かういふ姿勢は。
 生物學の分類で、一属一種(用語としては不正確ですよ、念の為)といふのを思ひ出した。ある分類に属するのが特定の一種だけの例は幾つかあるのだが、絶滅した生物だと他に分類出來ないから(新たに)ひとつを割り当る場合もあるさうで、何となく凄むを感じる。さういふ分類の考へを食べものに緩用すれば、眞つ先に獨立したカテゴライズをされさうな代表としてカレー饂飩が浮んでくる。あの非常に特殊な麺料理はカレー饂飩といふ獨立した一門を作らなければ日本食の中に位置づけるのが困難で、この点は稿を改めて無駄に熱く書かうと思つてゐるが、我らが幕の内辮当もカレー饂飩同様に獨立の一門を用意するのが望ましいのではなからうか。

 ごはん。

 胡麻塩。

 櫻でんぶ。

 鶏そぼろ。

 かりかりの小梅。

 鰤の照焼き。

 玉子焼き。

 椎茸と人参を炊いたの。

 金平牛蒡。

 コロッケ。

 ハンバーグ。

 海老フライ。

 白身魚のフライ。

 ナポリタン・スパゲッティ。

 ポテトサラド。

 焼賣。

 肉團子。

 春雨の中華風ドレッシング和へ。

 書き出した種々は思ひつくままなのだが、これらがちんまりと、併し賑々しく勢揃ひするのは幕の内辮当くらゐで、これが当り前の日本食なら、も少し全体の均衡を調整するにちがひない。かういふカーニバル的な食べものを從來の範疇に収めるのが無理のある話で、日本食属の中にカレー饂飩目と並べて幕の内辮当目を用意するのがよからうとする私の主張は、さうさう無理のあるものではないでせう。

 幕の内辮当がカーニバル的とすれば、それを味はふのは矢張り、カーニバル的を場所が好もしいとするは当然の帰結と云ふべきで、やつと特別急行列車が登場する。特別急行列車を旅行の手段ととらへるのは誤りではないにしても理解としては単純に過ぎて、ここは"毎日(日常、或はケ)からさうではない場所(非日常、或はハレ)を繋ぐもの"と考へたく、ハレはカーニバルとほぼ同義と受け取つて差支えへはない。カーニバルには酒精と食事を欠かしてはならず、それは非日常…ハレへの供物と位置づけられる。ハレへの供物なのだからそれは花やかでなくてはならぬ。何やら循環論法みたいになつてきたが、ハレ…花やか…賑々しさを象徴させるのに、幕の内ほど似合ひのお辮当はなささうに思はれる。

 そこでここからが本題。
 何しろ"虚々實々の下田行"なのだから、そこを避けるわけにはゆかぬ。
 下田…伊豆急下田驛を目指すのは小田原から乗車する特別急行列車の"踊り子"號で、大体一時間半から二時間くらゐ掛かる。この一時間半乃至二時間が詰り、ハレへの通り道となる。もつと云へば小田原驛はハレの入口と位置づけられる場所となるから、ここでどんなお辮当を買ふかはきはめて重要な課題になるだらうとは、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にも十二分にご想像頂けるにちがひない。

 上を見ると、(情報自体は新しくないけれど)賣店は入れない場所も含めて驛の規模に似合ふくらゐの数があると気づかされる。考へると小田原驛は東海道本線だけでなく、東海道新幹線に小田急小田原線、箱根登山鐵道、伊豆箱根鐵道大雄山線にあるのだから、賣店が少ないのは寧ろをかしい。上のリンク先を更に見ると、どうやら幅を利かしてゐるのは[東華軒]らしいことが判つて、ではどんな辮当があるのか知らと確かめてみる。

 中々ヴァラエティに富んでゐるなあ。但しクラッシックな幕の内辮当が慾しければ、[崎陽軒]といふことになる…ここで役に立たない知識を披露すると、"崎陽"は長崎の異称。日本風に変化した中華料理は横濱でも神戸でもなく、長崎に源流があるのだね…が、[崎陽軒]は横濱スタヂアムでベイスターズを応援しながら食べるのが一ばん旨さうで、但し野球場は一種のハレだから、特別急行列車同様、似合ふ可能性は高く、ここは悩ましい。

尤もやああれが旨さうだ、いやこれも捨て難いぞと賣店をうろうろするのもハレの樂しみである。従つて当日の天候やお腹の具合、予想外のお辮当に気を惹かれての気分の変化で、おもむろにこれと決めるのが正しくまたあらほましいのは云ふまでもなく、今から目星をつけておかうとするのは、カーニバルの礼儀に反する態度であらう。

 さういふことは十分に理解してゐるのだが、何せ小田原驛での乗り替へ時間は限られてゐる。せめて大まかな方向くらゐは決めておかないと、手ぶらで"踊り子"號に駆け込む破目になりかねない。

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# by vaxpops | 2017-02-24 07:00 | 企画万巻 | Trackback | Comments(2)

完了

 詰り懸案の、そして今日から始まる[御苗場vol.20横浜]である。
 無事(或は半ば無理やり)に準備は終つた…褒めて呉れ玉へ、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏。
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 頴娃君と丸太がどんな寫眞を出すかは兎も角、搬入の後で素敵なお店が見つかつた。お店の名前を出すのは控へるが、客あしらひが巧くて、つまみも合格点を差上げて支障のない出來だつた。
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 画像はその中から、菜の花のお浸しと馬刺。
 菜の花はも少し辛子の効かせ方に工夫が慾しかつたかとも思ふが、それは贅沢な望みか。
 画像では上げないが、鶏の唐揚げに〆鯖、(私の大好物であるところの)鯖の文化干しも好感を持つに足る出來であつた。唯一で最大の問題はロケイションの惡さで、これはもう、2017年のニューナンブは横濱スタヂアムでベイスターズを応援しなくちやあなるまい。

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# by vaxpops | 2017-02-23 08:45 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

空腹に唐揚げ

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 空腹を感じる。
 居酒屋に入る。

 さういふ時、一ばん好もしく思はれるのは、鶏の唐揚げではなからうか。空腹だつたら、かつ丼を食べればいいぢやあないか、と異論も出るだらうが、またかつ丼を喰ふのは實に魅力的な異論でもあるのだが、こちらは麦酒も呑みたいので、残念ながら全面的に受け入れるのは六づかしい。

 そんなら牛肉や羊肉もあるし、ちよいと凝つたところなら櫻に牡丹もある。それではいけないのかと畳み掛けられたら、それでいけなくはないけれども、空腹に大切なのは素早さで、鶏の唐揚げはその点でも優位ではないか知らと疑問を呈することになる。生眞面目に考へる話ではないか。

 少し冷静になると、鶏の唐揚げはかつ丼や焼肉やジンギスカン鍋や櫻刺や牡丹鍋に比べ、"外れを引く確率"が低いのではないか。意地の惡い見方をすれば大当りの率に期待出來ないことにもならうが、何しろ空腹なのだからお店や献立を丁寧に撰ぶ余裕は持ちかねる。さうなると馴染んだ、或は最寄りの居酒屋に飛び込んで

「麦酒と鶏の唐揚げ」

と兎に角慌てて云はざるを得ない。感心しない態度ではあるけれど、兎に角慌てて註文せざるを得ないくらゐの空腹に、鶏の唐揚げほど似つかはしい一品はさう見当らなささうにも思はれる。揚げたてにかぶりつき、檸檬塩、醤油と進めれば冷めてもうまいもので、麦酒二杯にちようどよい。

 さてこれから、鶏の唐揚げでちよいと、引つ掛けるとしませうかね。
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# by vaxpops | 2017-02-22 08:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

遊星から來た

 某日、某所の某居酒屋での某物体。

 かうして画像にすると、何だか気味惡く感ぜられなくもないが、冷酒に適ふうまい肴だつた。
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 詰り、なめろう。

 たたきの一種といふより、タルタル・ステイクの魚版と呼びたくなる漁師料理で、余りに旨くつて、皿を舐め取りたくなつて仕舞ふのが名前の由来だとか。

 お行儀は守らなくてはならないから、流石に舐め取るには到らなかつたが、気持ちはまつたくよく解る。

 画にした途端、遊星から來た奇怪な物体にしか見えなくなるのが難点だけれど。

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# by vaxpops | 2017-02-21 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

最終回

 念の為に云ふと、[いんちきばさら]の終りではない。まあ仮にさうだつたとして、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏は惜しんで呉れるか知らと想像したら、些か自信が持てなくなつた。この話を前置きに撰んだのは失敗だなあ。
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 ところで御苗場vol.20横浜がいつの間にやら近づいてゐて、次の水曜日がなんと搬入である。
 下記でも宣伝してゐるが、ここはひつこく、言葉を重ねておきたい。


■Musketeers、推シテ参ル!■
 ●御苗場vol.20横浜
 ●開催日程:2017年2月23日(木)~26日(日)10:00~18:00(最終日17:00まで)
 ●会場:BankART Studio NYK
 ●〒231-0002 横浜市中区海岸通3-9
 ●詳しくは ⇒ こちら (CP+会場からシャトルバスの運行があります)

 "Musketeers"からは、Anzy/頴娃久音君と私/丸太が3階のブース№258に出展します。
 また頴娃君は個人としてブース№228にも出展。
 25日(土)と26日(日)は頴娃君丸太とも会場にゐる予定です。

 御用とお急ぎでない方は勿論、さうでない方は万障お繰り合せの上、賑々しくお集まり下さります様、隅から隅まで、ずず、ずいーツと、御願ひ奉りまする。

 といふ次第で寫眞の撰定は無事にひと段落。
 そしてシリーズ"没!"も今回をもつて最終回とさして頂く。

 果して丸太はシリーズ"没!"以上の寫眞を用意出來るのか。

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# by vaxpops | 2017-02-20 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)