いんちきでさらにマクガフィン

by 丸太花道@乳軟部

何しろ自分で食べるだけ

 最近になつてやつと気がついた。廉な即席味噌汁(粉末ではない方のやつ)は煮物にも使へる。いや我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、笑はれてはこまるので、ああいふのは出汁も入つてゐるから、独居老人(近似値)には實に便利なんである。
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 小鍋でちよいとどろつとしてゐるかな、と思へるくらゐに溶く。味つけは醤油と生姜で辛さがきつく感じられる程度に調へて緩い火で温める。

 長葱を細かく、または粗く切つたのを入れ、鶏肉(ぶつ切りのやうなのがいい。唐揚げに用ゐるみたいなやつ)をはふり込んで…煮物鍋物に使ふ袋詰めの野菜があればもつといい…塩胡椒を振り、ざくざく切つた白菜で蓋をする。後はそのままゆつくり火を通せばよい。

 辛いのが好みなら鷹の爪を追加してよく、鶏肉に脂が足りなければ油揚げを入れるのもよい。面倒を顧みず、豚肉の塊を大きくぶつ切つて、大根や牛蒡や人参、里芋に蒟蒻を加へて焼酎を横に置けば、薩摩風だと強弁出來なくもない。

 まあ即席味噌汁を使ふのだから、そこまで手を掛けるなら、ちやんとお出汁をひいて、吟味したお味噌を用ゐるのが本道であらう。さういふきちんとした煮物を作るのに否やはないのだが、何しろ自分で食べるだけだもの。手を抜きたくなつて仕舞ふ。

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# by vaxpops | 2017-02-17 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

没3!

 しつつこく、御苗場vol.20横浜向けに撰考中の没寫眞である。

 これは大坂の天王寺界隈。お午前だつた筈だが、立ち呑みだの串かつだのはどこも賑々しくつて、その賑々しさは観光地的な名所となつてゐる箇所と、地元の親仁が通ひ續けて半世紀といつた様相のと、極端に分かれてゐたのが何だか愉快に思はれた。
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 没にした理由はごく簡単である。
 かういふ場所は撮るより吞むべきだからで、この時暖簾を捲らなかつたのは、失敗だつた。

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# by vaxpops | 2017-02-16 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

虚々實々の下田行③

 ところでわざわざ"虚々實々"と銘打つてゐるのは、嘘が(少なからず)混つてゐると暗示…いや殆ど明示してゐるのだから、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏はこの一連の文章を事實に即したものと考へてはならない。本当なら最初に書くべきだつたか知ら。うつかりしてゐた。念の為に云ふと、丸太のうつかりは八兵衛さん(演じた高橋元太郎さんはファンから"八兵衛さん、うつかりしてください"と求められたことがあるとやら)直伝ではないから、その辺は、ひとつ。

 3月20日は2017年の"春分ノ日"で啓蟄の次、清明の前にあたる。イランの暦ではノウルーズと呼ばれて元日に相当するさうだ。基督教の復活祭もこの日を起点に、"(春分ノ日の後の)最初の満月の次の日曜日"に祝はれるさうで、日にちが移る。移動祝祭日といふやつで、ヘミングウェイにさういふ題名の短く、乾いた、もの寂しくてそのくせひどく明るい一文があつたのを思ひ出した。巴里のカフェ、白葡萄酒と生牡蠣、削りたての鉛筆とモレスキンの手帖、新品のコインのやうにつやつやした肌(この比喩はすごい)をした見知らぬ女性。

 話が逸れました、例のとほりですなあ。
 2017年3月20日は月曜日。前々日18日前日19日とあはせて連休となる日程で、下田を目指すのはその18日19日となつた。折角なのだから2泊すればいいのにと思ふ向きもあらうが、ニューナンブは神聖な労働に従事する身でもある。休養を欠かすわけにはゆかないから、さういふ日程なんである。どうです、冷静な判断でせう。
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 そこで下田市観光協会のサイトを覗いてみると、この時期は櫻に恵まれるらしいと判つた。更に"風の花祭り"と銘打つた催しもある。それで思ひ出すのは前回の下田訪問で、確かペリー・ロード(感心しない名づけだね。再考を乞ふ)辺りを歩いた時に風が烈しかつたこと、そしてその風を受けて廻る風車を無闇に見掛けたことで、あの風は年中吹きつけてゐるのだらうか。だとしたら削りたての鉛筆とモレスキンを持つて、路に面したカフェで小説の構想を練らうとしても不便にちがひない。ただまあ仮にそれが出來たとして、註文するのは金目鯛に志太泉か英君辺りだらうから、ヘミングウェイを気取るには無理がある。

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# by vaxpops | 2017-02-15 07:00 | 企画万巻 | Trackback | Comments(2)

沈黙と饒舌

 ある寫眞が一枚あるとする。その一枚の寫眞を見るひとがゐるとする。その一枚の寫眞と見たひとの間に何かしらの…肯定的否定的はこの際問はないとして、何かしらの反応があつたとする。寫眞が表現(もつと大きく云へば藝術)になるとすればこの瞬間或はこの瞬間しかないのであつて、音樂でも絵画でも彫刻でも映画でもその辺りの事情は変らない。勿論不肖丸太が弄する文章だつて例外ではなく、無人の平原に打ち捨てられたオデュッセイアに何の値うちがあるだらう。

 簡単に云ふとそれ、表現乃至藝術は作り手と観る(聴く)側の共犯でしか成り立たない。

 さういふ視点に立つと、作り手は表に出して終り、後は共犯者の登場を待つのがあらまほしい態度となるのは改めるまでもなく、少なくとも文章に関しては詩を例外にすれば誤りではないと思はれる。このウェブログで云へば高校を卒業したくらゐの、詰り平均的な讀解力があれば理解出來る(厭み半分につけ加へると、歴史的仮名遣ひだから讀みにくいとは云はせない。高校卒業くらゐの讀解力があれば、普通の口語文と変らないし、もし本気でさう思はれるなら、それは現代日本語を理解する能力が致命的に欠如してゐると断定してほぼ間違ひない)から、意図的にさうされない限り、誤解曲解される心配はない。誤解曲解されたとすれば、讀者のおつむが余りにもアレだつたといふ極端な例外を除けば、さうされる程度の文章しか書けなかつた丸太が惡いんである。

 では寫眞ならどうかといへば、必ずしも作り手の要因と云ひきるのが六づかしい。解釈の余地が文章…散文より遥かに広いからで、抽象性が高いと云ひかへても宜しからう。
 抽象性の良し惡しでなく、それが受け手の解釈の幅を広げ(得)るといふ話である。
 さてそれでも作り手は沈黙を"守る"のがあらまほしい態度だらうか。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、閑でひまで何もすることのない午后に考へてもらひたい。それで考へたことを教へてもらひたい。讀者諸嬢諸氏の見方がどうなのか、非常に興味がある。序でながら、些かなげやりなことをご容赦賜りたい。
 この辺りまでが前置きで、私は寫眞に関する限り、表に出した後
「いやその寫眞はね」
と話をする…後出しをするのにまつたく抵抗を感じない。[いんちきばさら]で寫眞を上げつつ、その説明に終始することは殆どない筈だが、それは意味がないどころか、無駄だと思つてゐるからに過ぎず、隙があればあんなことを考へこんな狙ひだつたと、それがうまく運んだか失敗に終つたかと話をしたい。
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 こんな風に書けばきつと
「それは狡い。寫眞だつて(文章と同じく)表に出したら沈黙を守り、受け手の解釈に任せるのが正しい態度だ」
と批判されさうだが、私の場合(我が親愛なる讀者諸嬢諸氏とは異なる立場)、文章が表藝、寫眞は余技で、余技であるからそこに表現だの藝術だのの意識または気分はない。有り体に云へば遊びであつて、不眞面目と非難されるのはこまる。遊びなのだから眞面目に取り組むのは当然で、その遊びについて饒舌になる、ならうとする、なつて仕舞ふのは非難される態度だらうか。

 何も云はない。沈黙を守り續けることで受け手の解釈を広げ、豊かな"共犯関係"を結ばうとするのは勿論ひとつの手法。私はそれを否定する者ではない。それと相反する方法があつたつてかまはないし、相反する方法が"共犯関係"を拒むかといへば、それはまた別の話ではないかと思ふだけのことで、讀者諸嬢諸氏は如何お考へだらう。
 たとへば今回の画像は何かの意図があつたわけでなく、仮にあつたとすれば、余りにも捻りのない宣伝文句に苦笑ひが浮んだくらゐしか思ひ出せない。それをトリミングしてモノクロに変換して周辺減光をかけただけである。さうすると何となく勿体振つた雰囲気になつたのだが、かういふ画像を使ふなら、饒舌を添へなければ成り立ちさうにない。ある寫眞が一枚あるとして、その一枚の寫眞でどんな風に"共犯関係"を結ぶかには色々な手法があつて、その云ひ訳も色々とあつて、私の立場からそれを書いてみた。

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# by vaxpops | 2017-02-14 07:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(4)

没2!

 前回に續いて、御苗場vol.20横浜向けに撰考中の没寫眞である。

 単独で見るとさう惡くはないと思はれるのだが、"対比"の点から考へると、どうにも撰ぶのが六づかしいと解つたので、2点目の没印となつた次第。
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 併し考へてみると、かういふ"スナップらしい"スナップは殆ど撮つてゐないので、機会に恵まれたらプリントするのもいいかも知れない。

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# by vaxpops | 2017-02-13 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

没!

 【予告】推して参る【宣伝】で既に熟れて…訂正、触れてゐるとほり、ニューナンブはMusketeersの鎧を纏つて、御苗場vol.20横浜に出展する。

 出展する以上は出展する寫眞が必要になるのは自明の理といふやつで、これがまつたくのところ、悩ましい。
 すりやあ、あなたの寫眞が一体にアレだからだよ。
 と指摘されれば反論をたてるのが六づかしくもあるのだが、些か居直ると全滅ぢやあありませんよ。その程度の自負は持つてゐる。ただ今回は悩ましく、何故悩ましいかと云へば二点を出すからで、その條件が撰ぶ上で可也り、厳しい。

 対比といふのが自身に課した(裏の)方向で、手の内を明かすやうで、なーに、あからさまになつたところで、かまふものか。
 その対比をどう見せるか。
 まづは新旧を問はず、気に入つた寫眞を何枚か撰ぶ。
 それから撰んだ寫眞を俯瞰する。
 さ。この續きが問題で、あちらを立てればこちらが立たぬ。一枚では成り立つても、二枚にすると喧嘩したり潰し合ひになつたり、意図不明になつたりで、頭を抱へさせられる。
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 頭を抱へながら、これはいけない…今回の出展には合はない…と思つた中のひとつが、これである。

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# by vaxpops | 2017-02-12 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

虚々實々の下田行②

 特別急行列車の"踊り子"105號は午前9時に東京驛を發車、小田原驛10時2分を経由して伊豆急下田驛には11時34分に到着する。小田原から伊豆急下田までの所要時間は新宿驛發甲府驛着の特別急行列車"あずさ"と同じくらゐ。

 小田原驛を起点とした場合の運賃は2,290円。指定券の1,540円を加へて計3,840円。これが片道なので往復7,680円が交通費といふ計算になる。
 南伊豆フリー乗車券を使へば、同じく小田原驛起点で運賃の4,410円と往復の指定券が3,080円なので7,490円。差額は190円だが、下田ではバス移動が見込まれて、4,410円にそれが含まれることを考へると、値うち感は高くなる。

 他の方法も考へられなくはない。
 小田原驛9時8分發の東海道本線で熱海まで。そこから9時38分發の伊豆急行線に乗れば、伊豆急下田驛に到着するのは11時8分で、"踊り子"105號を使ふより半時間近く速くなる。
 復路は"踊り子"號を使ふとして、運賃計は6,130円。1,000円余り廉にはなるが、小田原驛發が1時間くらゐ前倒しになるし、バス代を含めると現實的とは呼びにくい。さうなると南伊豆フリー乗車券プラス指定特急券が一ばん値ごろか。
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 勢ひが出たので復路も考へてみる。
 伊豆急下田驛發の特別急行列車も矢張り数が少なく、小田原驛下車となると"スーパービュー踊り子"號は撰べない。残念だなあ。そこでもう少し調べると、"踊り子"106號(12時8分發/小田原13時49分着)、同108號(13時8分發/小田原14時48分着)、同114號(15時4分發/小田原16時46分着)の3本くらゐ。中々便利が惡いね。

 2016年に日光へ足を運んだことを思ひ出した。あすこも高名な土地なのに特急列車のダイヤグラムがひどく不便で、気らくに行かうとは考へにくかつた。新宿驛から東武日光驛も2時間足らずだつた記憶がある。朝めし朝酒に丁度よい時間で、甲府松本方面も今回の下田も同じくらゐなのを思ふと、これがニューナンブにとつて適切な移動なのだらうか。ダイヤグラムは双方の合意を得て、恙無く確定に到つた。
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# by vaxpops | 2017-02-11 07:30 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

ハムを喰ふ

 いや併しハムは"喰ふ"ものなのか。

 どちらかと云へば"つまむ"が近しく感じるのだけれど、これは分厚く切つたハムに、とんと縁がないから、さう思はれるだけで、實際は"喰つてこそ"ハムの醍醐味なのかも知れない。

 一ばん嬉しくなるのは、葡萄酒のお供に生ハムを添へた時で、そのままで美味いのは勿論として、黒胡椒を挽いたのをあしらつたり、オリーヴ油をほんの少しつけてみたりすると、異なる味はひを愉しめて豊かな気分にもなれるし、さうなつたら、喰ふでもつまむでもかまはなくなる。
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# by vaxpops | 2017-02-10 07:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(2)

カタチとシルシ

 イコン…iconときいて、即座にツァイスを連想するひとはきつと少数派だとは思ふのだが、この[いんちきばさら]に限つては例外かも知れない。寫眞…カメラ…レンズ好きにとつてツァイス・イコンは特別の銘の筈で、たとへばハッセルブラッドSWCの38ミリ・ビオゴン、RTSコンタックスの50ミリ・プラナー、Gコンタックスの16ミリ・ホロゴンと挙げればきりがない。だからこれ以上は控へるし、第一ツァイス・イコンは今回の話と関係がない。

 それでイコンとは何ぞやと考へるとそれは象徴である。カタチとシルシ。漠然とした何事かを明瞭に示す為の記号(のやうな)何物かと云へば解りにくいけれど、基督教の宗教画を思ひ浮べればよささうにも思ふ。宗教画のすべてがさうだとは云へないとして、最上のそれが持つ美しさは理窟や神學を飛ばして、眞善美をぢかに感じさせる。その"ぢかに"がイコンの役割…靱さではないか。尤も丸太の勝手な解釈だから、イコン學者につつこまれるのはこまつて仕舞ふ。

 かういふ(丸太には似合はない)ことを考へたのは画像の所為で、西多摩の某酒藏で撮つた。
 甑…コシキだらうと思はれる。
 粗雑に云へば酒米を蒸す器械で、酒醸りの大元と受けとつていい。何斗だか何石だか、我われの想像には収まらない量にちがひなく、立ち並び立ち上る湯気を思ふと、壮観なのだらうなと思はざるを得ない。蒸された米が醗酵し、搾られ、濾されて、肴と共に登場する。さういつた連想を刺戟するのがこの極端に図案化された画像で、お酒を示すカタチとシルシ…即ちイコンと呼んでいい。
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 すりやあ丸太が呑み助だからだよと云はれたら、頭を掻いて誤魔化すしかないのだけれど。
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# by vaxpops | 2017-02-09 08:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

虚々實々の下田行①

 1月の晦日、唐突に"水戸に行かう!"とメールが届いた。念を押すと、送り主は頴娃君である。他人さまのことは云へた義理でもないが、どこやらの某番組を観て、いきなり火が点いたらしい。
 常陸國水戸には以前に足を運んだ経緯があつて、それは2014年3月の[常陸國リアルタイム]で遡ることが出來る。"東光"と"郷乃誉"がえらくうまかつたなあ。鮟鱇を食べ損つたのは無念だつたけれど、偕樂園の美事な梅林は鮮やかに覚えてゐる。とは云へこちらはそこまで水戸に思ひ入れを感じる気分ではなかつたので、その場は曖昧に誤魔化した。

 その後2月3日に新宿で頴娃君と会ふ用件があつて、滞りなく済ませてから一ぱい引つ掛けた。酒藏が営んでゐるから、チェーン展開をしてゐるのに中々うまい。ことにこの時季は品書きに新酒が出る。ちよいと林檎香をつけ過ぎかと思はなくもないが、季節を感ぜられるのだから贅沢な文句は口にしないのが好ましい態度だらう。それでお代りを呑みながら水戸の話になつた。
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 「貴君何よりゆゑ水戸なのかね」

 「何とかいふ番組の所為だよ。ああいふ土地は歴史を知つた上で歩くべしと思つたのだ」

 「成る程。併し小生は今のところ、水戸に惹かれてはゐないのだ」

 「では貴君、他に惹かれる土地があると」

 「さうさね。下田を改めて訪れたいか」

 それだよと頴娃君の聲が高まつたのはお酒の昂奮も含まれてゐたにちがひない。尤もこちらにもお酒の昂奮はあつたから、難詰するわけにはゆかず、それで下田が確定的な雰囲気になつた。
 思ひ返すと下田には二へん行つてゐる。初めて訪れた時は大雨に祟られて、次は市内をぶらりぶらりした。2013年3月の[弥生の月は下田月]などでその辺りは追ひ掛けられる。但し書いた本人もざつと讀み直して、何が何だかよく判らなくなつてゐる箇所があれこれとあるから、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には、一ぺん眺めてみるかと思はれた場合はご注意を願ひたい。
 ところで前回の訪問から4年ほどを経て下田の新しい知見を得たかと云ふと恥づかしながら皆無に等しい。詰り漁港にペルリ提督、勝海舟と山内容堂の会談くらゐだから、これでは何も知らないのと事實上変らない。下田人には申し訳なく思ふけれど、それはこれから改めるので寛容を以てご容赦願ひます。お願ひが重なつたのは、丸太の不徳といふやつである。

 改めるのは明日からの話として、下田は(東京から見ると)近い土地とは呼び難い。我われは特急列車で移動するのだが、熱海を過ぎて伊豆半島に入らうとすると、途端に不便を感じさせられる。簡単に云へば列車の数が少なくなるからで、ダイヤグラムを調べると、小田原を中継にした特別急行列車"踊り子"105號くらゐしかないと判つた。
「よしそれで決めませう」
微塵の躊躇ひもなく云つたのが頴娃君なのは今さらの話で、油断も隙もないかれは既に宿の手配まで済ませてゐた。確定的な雰囲気が確定になつた瞬間である。
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# by vaxpops | 2017-02-08 07:30 | 企画万巻 | Trackback | Comments(2)
 寫眞好きカメラ好きにとつての2月は[CP+2017](2月23日から26日)の筈で、事前に登録をすると入場が無料になる。横濱の散歩ついでに寄れなくもない場所ですね。その[CP+2017]の開催時期にあはせて開かれるのが[御苗場vol.20横浜]で、今回はその宣伝なのです。
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■Musketeers、出陣!■
 ●御苗場vol.20横浜
 ●開催日程:2017年2月23日(木)~26日(日)10:00~18:00(最終日17:00まで)
 ●会場:BankART Studio NYK
 ●〒231-0002 横浜市中区海岸通3-9
 ●詳しくは ⇒ こちら (CP+会場からシャトルバスの運行があります)

 "Musketeers"からは、Anzy/頴娃久音君と私/丸太が3階のブース№258に出展します。また頴娃君は個人としてブース№228にも出展。
 御用とお急ぎでない方は勿論、さうでない方は万障お繰り合せの上、賑々しくお集まり下さります様、隅から隅まで、ずず、ずいーツと、御願ひ奉りまする。

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# by vaxpops | 2017-02-07 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

花は櫻に魚は鯛よ

 恥づかしい話、谷崎潤一郎はちやんと讀んだことがないから、又聞きの曖昧な記憶で云ふのだが『細雪』の一節に、日本人にとつての花が櫻なら魚は鯛とあるさうで、ははあと感心した。尤も花の古い格は梅の方が一段上で、櫻は二代目になつたかと思ふ。
 不思議なのは、我われのご先祖は大多数が農耕民…司馬遼太郎風にいへば、"大地を引つ掻いてゐた"連中…で、漁撈派は小数だつた筈である。それに(私の乏しい知識の範囲だが)上代から中世くらゐまでの日本は、舟…造船や航海の技術が未開に等しくて、大規模な漁業は事實上不可能だつたから、魚を食べる習慣はごく狭い範囲に限られてゐたのではないかとも思ふ。
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 さうなると鯛が魚の王様の地位を得たのはいつ頃のことなのだらう。鮭は今の新潟辺りで収獲する人びとがゐたさうだし、皮で服だの靴だのも作つたらしいから、寧ろこちらの方が玉座についても奇異の念は感じないだらうに。

 我が邦魚食の歴史については熱心な研究者に任せるとして、またさういふ歴史に関はらず鯛はうまい。焼いても煮ても蒸しても揚げても、西洋風でも中華風でもうまい。魚ならたいていはさうだらうさと呟くのは野暮な態度で、いや實際料るとして、幅の広さ懐の深さ器の大きさを存分に活かせるのは鯛の他だと鮭と鯖、鰯くらゐが精々ではなからうか。
 一ばん旨いと思はれるのは矢張り、塩焼きでせうね。しつつこいのに淡泊でもあつて、魚の肉といふ言葉から連想出來る味のすべてが含まれてゐる風に感じられる。これが断然の首位として、續くのはお刺身か。うまいのに当る機会に中々恵まれないのは惜しまれるが、これ計りは自分の鼻を利かせる以外に方法はない。お刺身で旨い鯛に巡りあへたら、ちよつと贅沢なお酒を奢つて、梅の香櫻花を愛でに出掛けたいものだ。大谷崎には厭みな態度と叱られるか知ら。
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# by vaxpops | 2017-02-06 07:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)

お蕎麦の前

 立ち喰ひのたぬきそばを私は偏愛する者ではあるが、当り前のもり蕎麦が好もしくない筈はなくて、併し一枚のもり蕎麦だとどうも足り苦しく感じなくもないから、さういふ時には何かしらをお蕎麦の前につまむ。本筋で云へば蕎麦種に少し手をつけた程度のが望ましからうと思はれて、ただまあそこまで拘泥した結果、その拘泥の分だけ一枚のもり蕎麦が旨くなるかと云へば、些か以上に疑問が残る。
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 考へてみると、お蕎麦の前に何か食べるのは空腹があるのは勿論として、矢張りお酒を少しやつつけるからだらう。莫迦つ舌の私だから、純米だの生酒だの精米何分だのに大して興味はないし、冷や酒に限る態度でもなくて、品書きにある旨さうな銘柄をその時の気分やら調子で常温だつたりぬる燗だつたり冷やだつたりで、旨いなあと思へるから得をしてゐるのか知ら。ただ肴なしで呑むのはどうにも無理だから、さういふ註文をすることになり、手段と目的が妙な具合になつてきたぞと思はなくもないが、さういふことを気にすると折角のお蕎麦がまづくなる。
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 なのでそれはそれとして、お蕎麦の前のつまみは何がいいかといへば、焼海苔や鴨を挙げるひともゐるだらうが、前者は些かかるすぎるし、後者だとお蕎麦に対して濃いかと(鴨南ばんや鴨蒸籠といふ例外はあるけれど)思はれるし、お酒にも似合はなささうでもあつて、どうも積極的には撰び辛い。矢張り画像の厚揚げや玉子焼き、或は温めた豆腐辺りがなだらかな調子でお蕎麦に移れるのではなからうか。一合のお酒をゆるゆる愉しみつつかういふのを平らげ、悠然ともり蕎麦を手繰るのは、老人の娯樂と呼ばれるやも知れないが、若えモンにやあ解るめえよと居直りたくもなつてくる。
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# by vaxpops | 2017-02-05 07:45 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

春はまだか

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馬手に麦酒。

弓手に焼鳥。

風と花びら。

春はまだか。

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# by vaxpops | 2017-02-04 10:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(6)

油断のならぬ

 お漬物があるといい気分になれる。何を以てお漬物とするかには議論の余地もあらうが、野菜を糠や塩や味噌で漬け込んだ醗酵食(かう書くと何だか貫禄が出ますねえ)だと云へば、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏に叱られることもないだらう。

 野沢菜漬け。

 たくわん。

 胡瓜や白菜の浅漬け。

 蕪の塩漬け。

 辣韮の鼈甲漬け。

 挙げてゆけば切りがないから物尽しは控へるとして、ごはんとお味噌汁に鉢盛りのお漬物があれば、簡素ながら(焼魚でもあれば文句のない)食事が完成するのは改めるまでもなく、たとへば佛國にかういふ"ささやかながら欠かし難い一品"はあるのか知ら。仮になくても佛國料理がいけないことにはならないのだが。
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 ただお漬物といつてもお漬物なのだから、細かな差異はあつても、劇的にちがはないんではないかなあ。
 といふことを考へないわけではない。
 中々正直な態度でせう。
 思ひ出すのは燻りがつこといふお漬物。これは粗つぽく、"たくわんの燻製"なのだが、たくわんではなく燻りがつことしか呼べない味で、初めて食べた時はびつくりした。詰り旨かつたので、まつたくのところお漬物は油断がならない。加へて云へば油断のならないお漬物は突然、小皿で登場するのが常でもある。画像のお漬物が詰りそれで、ね、ちやあんと流れを考へてゐるのですよ。
 これはある酒藏で供されたもので、酒粕を使つてるのだといふ。一体に私は粕漬けが得意ではなく、それは殆どの場合酒粕の厭みが鼻につくからなのだが、これにはそんな気配がなくてうまかつた。特に白菜は唐辛子(實はこちらもあまり得意ではない)を隠してゐたかと思ふが、舌に響く辛さがあり、そのくせお漬物の白菜といふ味はひが残つてもゐて感心した。漬け方が巧妙なのだらうね、これは。肴になるのは勿論として、ごはんにも實によく似合つた。
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# by vaxpops | 2017-02-03 07:30 | 飲食百景 | Trackback | Comments(2)

つまむ

 独居老人(にきはめて近い場所にゐるところ)の私の食事がさう大したものでないのは、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には既に明らかであらうと思はれる。時に旨さうな食べものの画像を出すこともまあないではないが、それは外で食べたものだからこちらの手柄と胸を張るわけにもゆかない。

 勿論外食ですべてをまかなへるほど、お財布にゆとりがありはしないから、寒い季節は一応と念押ししつつ自炊もする。自炊とはいふが、要するに野菜や肉の切れ端を煮るだけのことで、こんなのは小學生にだつて出來る。毎日火入れをして生姜やら葱やらをはふり込めば日保ちするし、少しづつ味が変るのもあるし、最後にはレトルトのカレーを入れて饂飩を煮けば勿体無くならないのも有り難い。使ふ調味料は塩胡椒と濃縮の出汁、後は粉末ソップくらゐなものか。茸や脂身で意外な程に変化するし、私程度の作り方なら寧ろそつちに任す方がいい具合になる。尤も放任主義でゆけるほどの勇気はないから味見が必要となるのだが、ここから(やつと)(例のとほり)本題。
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 独居の特権は自炊で勝手が出來る点で、家族がゐる、友人や知人を招くなら兎も角、自分で食べるだけなのだから、お行儀の惡い味見をしてたれに叱られる心配もない。ごく緩い火で鍋を温めつつ、罐麦酒なんぞを開けて、お玉から直接に啜りまた食べる。

 いやはや。
 下品だねえ。

 まつたくそのとほりで、かういふ姿を我が親愛なる讀者諸嬢諸氏に見られた日には、[いんちきばさら]を終了させなくてはならない。
 さうは思はれるのだが、この味見…といふよりつまみ食ひがうまいのだからこまる。お皿や小鉢に盛つて温泉卵を落し、青葱を散らす方がもつとうまい筈なのに、鍋から直かにつまむうまさは堪へられない。東海林さだおが學校帰りに馬鈴薯のお味噌汁をお玉で啜る樂しさを描いてゐて、あのひとはさういふ嬉しさを一筆描きで見せるのが實に巧い。絵でも文字でも食べる歓びを見せるのは最も困難な課題に属するが、稀にさういふひと(檀一雄や吉田健一)がその困難な課題を易々と解決するのを目の当りにすることがあつて、まつたくのところうんざりさせられる。東海林さだおもまたそのひとりであるか。

 いやそんな話ではなかつた。

 綺麗に或は一応盛りつけをする前の食べものが不思議にうまいといふ話で、あの味の感じ具合のちがひは何だらう。
 品下れにかまはず云ふと、盗婢妾妻だつたか、さういふ序列がある、あつた、らしい。男から見た女の味で、日本語風に翻訳すると不倫に女中、愛人女房辺りか。念の為に云ふが我が親愛なる讀者諸嬢よ、私は貴女を心から敬つてゐる。これはさういふ云ひ廻しがあつた(らしい)ことの紹介なので誤解されてはこまりますよ。と云ひ訳をしたところで、では何故その女性蔑視的な云ひ廻しを思ひ出したかといへば、最初の"盗"の文字が理由である。詰り盗み喰ひ。たれかの目をかすめるやうなつまみ喰ひは何だか愉快なものでせう。お行儀の惡さが味はひに繋つてゐるわけで、檀一雄はロシヤで居候を決め込んだ時期に、ボルシチだかの作り方と味を盗み飲みで覚えたといふ。"ロシヤでの居候といふ特殊な事情"を含めても、随分うまかつたらうな。まさに盗味の極北。
 思ふにお玉でのつまみ喰ひは、檀の体験…盗味…をうんと小さくしたかたちではなからうか。決して感心出來る習慣とは呼べないとして、さう考へれば台所でのつまみ喰ひが妙にうまいのも納得出來さうな気がする。それに画像のやうな料理を用意する板前さんが、(味見と称して)ひよいとつまみながら、うーん旨いなあと呟く姿を想像するのは愉快ではありませんか。
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# by vaxpops | 2017-02-02 07:30 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)
 いきなりであるが今回は些か変則的になる。
 2016年12月25日から31日、そして2017年1月に期間が跨つてゐるからで、併しきつと我が親愛なる讀者諸嬢諸氏はさういつた些事に興味はなからうとも思はれる。

 詰り丸太花道賞である。

 昨年末からこつちは穏やかな筈の記憶なのだが、手帖を捲ると、それでも色々の事があつて、記憶があてにならない年齢になつて仕舞つたのだなあと、苦笑を禁じ得ない。
 青山學院の箱根驛傳3連覇。
 大荒れに荒れた大相撲初場所で稀勢の里の初優勝と横綱昇進。
 (次の場所まで待つた方がいいと思ふんだがなあ)
 ドナルド・トランプの米國大統領就任。
 (英國の賭け屋は何年保つかベットさせればいい)
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 尤もさういふ世の中には背を向けるのが丸太花道賞で、不眞面目だと腹を立てる方はをられないでせう。
 それで今回は

・大坂天満の奄美沖縄の焼酎泡盛とヰスキィを吞ます(面妖な)お店。
・鐵道博物館で偶さか目にすることが出來た山形新幹線の連結部分。

 この両者に丸太花道賞を差し上げる。
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 それから今回は変則なので、画像上段は今月の[いんちきばさら]で未使用だつたのをひとつ。
 併せてこのお店(大坂京橋)には特別賞を進呈する。

 さて2月如月は[御苗場寫眞展]への出展…詳細は後日…がある。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には風邪など召されぬよう、くれぐれもご用心下さいまし。

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# by vaxpops | 2017-02-01 07:00 | 丸太花道賞 | Trackback | Comments(2)

第一号

 お酒に関してはかるい呑み口を私は好む。水ニ似タルヲ以テ最良トス、といふのは吉田健一も内田百閒も教へるところだが、別に迎合してゐるわけではありませんよ。

 思ふにお酒が弱いのだな。

 もうひとつ加へると、葡萄酒の方が口に適ふ事情もあるのだらうなと考へられなくもない。良し惡しの話と異なるのは当然のこと。好みでなければ相性の問題である。
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 とは云ふものの、お酒が厭なのでもなく、たとへば画像の"新しぼり"は、骨のふといのを好むひとには頼りなく感ぜられるにちがひないが、またさういふ濃いのをやつつけると水のやうに思へるのも事實なのでもあるが、舌触りも喉越しも非常にスムースでおよそ前に出る態度が見られない。

 裏を返すと肴を撰ばない銘柄だとも云へるわけで、お刺身でも天麩羅でも煮つけでも(試してはゐないがきつと)唐揚げでもうまい。それを"個性に欠ける"と評するのも出來なくはないとして、ではその"個性"が必要なのかといふ疑問は残る。お酒は肴とあはさつて"まつたき宇宙をなす"と考へる立場としては、個性といふ臭みのきつい(そのくせ曖昧な)冠は時に邪魔ではないかと思ふ瞬間がなくもない。異論の余地はたつぷりある。
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# by vaxpops | 2017-01-31 07:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

後日のこと(箇条書き)

拝島から目指すのは石川酒造。
驛前の交番にゐるお巡りさんは何度か訪れた由。
「吞みすぎちやあ、いけないよ」と忠告。

石川酒造。堂々とした藏の前に何故だか綱が張つてある。
あれは洗濯物を干すのですとの話。をかし。

見學は自称"酒世羅(といふ名前の賣店)のいんちき店長"ことH本氏。
講談師のやうな喋りつぷりで、"~といふ話"の癖がリズミカルだつた。

石川酒造の社長は代々彌八郎を名乗る。
単に名乗るのではなく、手續きをして改名するのださうだ。
当代は十八代目といふから、徳川将軍より長續きしてゐる。

彌八郎より長い血筋の宮様が植ゑられた樹(木犀)が二本。
ただその宮様は"お忍び"だつたさうで、疑問が残らなくもない。

お午は醸造所内にある蕎麦屋の[雑藏]で。
玉子焼き、厚揚げ。
それからブルワリー謹製のペール・エイルにもり蕎麦を一枚。
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青梅線の乗客になつて沢井驛に移動。
陽射しがやはらかく、梅がぽつりと咲きだしてゐる。
澤乃井に入つて煙草を一本。

小澤酒造の社長がえらく痩せてゐて一驚。
癌を患つて、手術を受けたとのこと。
併し痩せた頬に鼻髭がよく似合ふ。ちよいとショーン・コネリーみたいだつた。
左斜め前に坐つてゐたひとは、元ドラゴンズの山本昌に似た風貌。

性格上詳しくは書けない催しで、"新しぼり(ニヒシボリと讀む)"と他二種。
併せて幾つかの料理。
眞鱈の昆布〆は感心せず。
巻き湯葉の含め煮、春菊豆腐春巻、冬野菜大辛漬に粕汁は美事。

お酒の割振りが實に巧妙なのに助けられ、酔ひつつ(それなりに)しやんとしたまま終へられた。

画像の猫は"よね"だつたか。
H本氏の呼びかけに、みやあとか応じてゐたが、石川酒造で飼はれてゐるのではないさうだ。

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# by vaxpops | 2017-01-30 07:00 | 宿酔紀行 | Trackback | Comments(4)

窓の外

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靴を脱いで

膝をついて

お行儀よく

窓から外を

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# by vaxpops | 2017-01-29 13:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

詳しくは後日 最後

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 何故なら、かういふ事情なので。
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# by vaxpops | 2017-01-28 16:07 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

詳しくは後日 次が

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 何故なら、かういふ事情なので。
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# by vaxpops | 2017-01-28 15:25 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

詳しくは後日 最初

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 何故なら、かういふ事情なので。
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# by vaxpops | 2017-01-28 13:54 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

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 "青い光の超特急"と唄はれたひかり號。

 初めて乗つたのは新大阪から名古屋だつたのを思ひ出した。

 ひかりだつたかこだまだつたかは、残念なことに覚えてゐない。

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# by vaxpops | 2017-01-27 07:45 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

直角の客車

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 旧式の客車の背もたれは、直角になつてゐる。
 背すぢを伸ばして、さ、立川までの小旅行。

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# by vaxpops | 2017-01-26 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

充實

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いや私のことではないのだけれど。

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# by vaxpops | 2017-01-25 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)
 ロボットもののテレビ漫画…たとへばマジンガーZ、或はコン・バトラーV…に熱狂した世代である私の目からすると、電気機関車の運転席は夢の空間としか思へないのです。

剥き出しの金属。

がつしりとしたレヴァ。
沢山のメータとスイッチ。

 これこそ憧れにあくがれ續けた、あのロボのコックピット。かういふ昂奮は液晶画面やかろやかなボタンに毒された(!)最新の車輌には残念ながら味はへるものではありますまい。
 運転席にしつかり腰をおろして窓外を確認、レヴァをがちやんと動かしながら
 「発進」
 メータに目を移し、スイッチをぱちんと切り替へると、巨体が唸りをたてながら動き出すでせう。

がこん。

ぎゆん。

ぐん、ごん。

ぐいーん。

進め!電気機関車!

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 …といふ眞似が出來なかつたのは、年齢に対しての羞恥ゆゑで、私は少年だつた遠い日を懐かしく思ひ出したのです。

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# by vaxpops | 2017-01-24 07:30 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

蒸気機関車を漢字一文字に置き替へるなら、塊が一ばん似つかはしいと思ふ。

頑丈で重々しくつて、併し合理的。

その合理が骨格のやうに剥き出されてゐるところにまた、痺れるのだな私は。


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見上げても、頑強で合目的的な姿。

機械のあらまほしい姿の、これぞ理想と呼びたくなる機関車といふ偉大な塊。

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# by vaxpops | 2017-01-23 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

不幸中にして幸ひなり

 縁があつて大宮の鐵道博物館に足を運ぶことが出來た。かつて大坂弁天町の交通科学館に熱狂した子供だつた私が、再び熱狂したのは改めるまでもないでせう。
 さうさう。縁があつたといふのは[光のほそ道]といふサークルのオフ会で、オフ会といふ言葉は好みではないのだが、それは些細な問題。かういふ機会を用意してくだすつた方々には感謝しなくてはならない。何しろ埼玉には地縁を持つてゐないのだもの。

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 鐵道博物館については贅言を擁する必要も無いでせう。なんだそれはと思はれる方はご自身でお調べなさい。流石に万人向けとは云へないけれど、数寄者にはたまらない空間である。
 大宮驛からニューシャトルでひと驛。殆ど目の前と呼べる立地は非常に便利。ごく短い通路の天井にはダイヤグラムが、床には時刻表があしらはれてゐて、顔がにやけてくる。傍目には妙な小父さんだつたにちがひなく、お客の少ない平日だつたから怪しまれずに済んだ。

 入場料金は1,000圓ぽっきり。
 プリペイドカードに似た形状で、改札口を通るやうにして中に入る。

 手前にあるのは蒸気機関車。そこから電気機関車、旧式の特急列車が並び、一ばん奥手に新幹線がある。入口から見て右手側には別扱ひの空間が用意され、そこには御料列車が展示されてゐる。
 うーん、エエなあ。
 と思ひながら歩くと、不意にがしやんと大きな音が聞えた。見ると山形新幹線の鼻つ面のところに、係員(と呼んでいいのだらうか)が何人か集まつてゐて、何やら話しあつてゐる。
 「何をしてゐるんですか」
訊くと、連結部の出し入れの動作がぎくしやくしてゐるらしい。本來はカヴァがスムースに開閉するのに、どこかが引つ掛かつてゐるのか、動きが途中で停まつて仕舞ふ。
 「こりやあ、開けないといけないかなあ」
などと呟きが洩れたから、簡単なメインテナンスでは済まないのかも知れない。たいへんだなあと思ひながら、併しかういふトラブルは狙つて見られるものでもないと考へ直した。さうして撮つたのがこの一枚。

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# by vaxpops | 2017-01-22 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

特別急行列車

特急列車には夢がある。

漠然としたあくがれと。

果てない旅への憧憬の。

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特別急行に乗つて今夜。

片道切符で乗つて今夜。

あの町へ行かうよ直ぐ。

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雲雀が僕なら朱鷺は君。

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# by vaxpops | 2017-01-21 12:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(6)