いんちきでさらにマクガフィン

by 丸太花道@乳軟部

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虚々實々の下田行⑧

 どうも我われには土地や道を自分の目に寫る姿で理解する癖があるのではないか。勿論それで不便が生じる筈はなく、いや当然のことでもあるのだが、土地も道も昔と現在が同じとは限らない。これもまた当り前の話。同じとは限らなくなる理由はひとつに天然…たとへば土砂の堆積…、ひとつに人工…たとへば運河や埋め立て…、或は経産業や人口の変化が思ひ浮ぶ。喧騒をきはめた町が世紀を跨いで閑散とした風景になることも、寒村がいつのまにか繁華になることも有り得るし、また實際にもあつて、往時を偲ぶのは簡単な趣味ではないのだなあ。

 往時で思ふのは輸送で、二百年も遡ると陸路と海路しかなかつた。大規模な輸送に限れば船になるわけで、我が邦では殆ど發展が見られないが、それでも千石くらゐの規模の船(但しその構造は徳川が巨大船をきらつた背景もあつて可也り原始的。どうもあの政権は臆病を重く見てゐたらいしね)が、近畿を中心に九州と東北北海道を廻つてゐた。その廻船は日本海側が主だつたらしく、米に布、干物、油、さういつた種々と非公式な海外の品物が動いてゐたさうだ。江戸の半ば以降、日本の経済は大きな纏りを持てて、それは船が作つたと見立てるのは強ち誤りではないと思はれる。

 併し船の原型は矢張り漁船ではなからうか。字にすると船ではなく舟。食べる為の手段であり、時に皮で靴や衣服、骨で針などを作りもしたにちがひない。我われのご先祖はきつと川つぺりや河口の近くでおづおづと漁業を営んでゐたらう。さうでなくては漁船が貧弱だつた理由は考へ辛く、裏を返せばその程度の規模で喰ふには困らなかつたと想像も出來る。その規模を大きくしたのはひとつに貢税(鯖街道を思ひ出し玉へ)、もうひとつが経済圏の拡がりだつた筈で、港町はさういふところから生まれたのだらう。

 無理やりであるのは認めるとして、序盤からそれなりに繋がつてゐるでせう。もう少し頑張りますよ、ご期待あれ。

 詰り港町と云へば下田なわけで、熱海や早川の立場はどうなると訊かれさうだが、この稿は"虚々實々の下田行"だから、敢て目を瞑る。そこで下田の歴史を俯瞰してみたいのだが、意外とさういふ資料が見当らない。直ぐに解るのは日米和親条約に基づいて函館と共に開港された事、それ以前は廻船の寄港地だつた事くらゐ。後はざつと七世紀末頃に伊豆國が成り立つてから、十二世紀末の源頼朝の韮山挙兵、十五世紀末に伊勢新九郎(後の北条早雲)の登場、十六世紀末の豊臣秀吉の小田原攻めを経て、徳川政権下では天領となる。そこから二世紀半が過ぎると、現代の下田が観光の自慢とする幕末の激動期。ペリー提督やハリス公使、唐人お吉、吉田松陰の密航企てがざつと二十年の間に詰め込まれてゐる。

 漁港はどこにいつた。

 どこも何も、かういふ地域史は中々表…目立つ場所には出にくいからで、たとへば新潟の農業史を知りたい(水害と灌漑の歴史でもある)と思つても、ざつと解るのは近代以降、あまく見ても江戸期辺りからで、もつと大きな俯瞰図が慾しければ図書館で専門書を捜さねばならないだらう。手元にさういふ本があれば、引用しつつ偉さうな態度を気取れるのになあ。ただ天領だつたまたはそれ以前の下田と現代の下田は様相(土地や地形や道筋)は確實に異なつてゐると想像出來て、漁港或は寄港地としての有り様は別に、その差異は気になるところである。
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 そこで便利だらうと思つたのが古地図。京坂や江都にはさういふものが沢山残つてゐて、それを使つた書籍やスマートフォン用のアプリケイションも色々ある。實際に歩く時は現在の地図と照合しながら使へるのが好もしい。もしかするとたつた今、歩いてゐる場所が古地図の当時はたれかの屋敷だつたり田畑だつたり海だつたりするのを確かめられるのは単純に樂しからうし、町割りのちがひが見えれば、その土地の發展や衰退が浮んでもくるだらう。往時茫々の感慨に耽るのは年寄りじみた趣味にも見られかねないが、賑々しい観光の目玉だけをその土地の魅力とするより、多少はましだとも思へる。ただここまで調べた限り、下田のそれが見当らない。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏に、さういふ書籍なり何なりをご存知の方がをられれば、ご教示をお願ひしたい。

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by vaxpops | 2017-03-12 07:00 | 企画万巻 | Trackback | Comments(0)

ひと皿なンぼ

お任せでひとり前。

それとお酒を一本。

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by vaxpops | 2017-01-16 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

冬の逆光

冬の午后の

光さかしまに

寂れたる名を

あはく飾る

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貴女の名に似て

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by vaxpops | 2016-12-23 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

次の電車

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次の電車に乗りこんで

終着驛まで行かう

終着驛に着いたら

その次の電車に乗らう

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by vaxpops | 2016-12-22 07:45 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

冬女子

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連れあふて

いづくに行くや

冬の女子





(まさか、牛丼?)

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by vaxpops | 2016-12-21 07:45 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

赤い灯青い灯

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水面のネオン恋し

熱燗徳利を一本と

一皿のおでんをば

これ詰り冬の贅沢

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by vaxpops | 2016-12-20 08:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

川縁り

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水をながめ

友とふたり

盃をば乾す

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by vaxpops | 2016-12-14 07:30 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

魅惑の漢字

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献立に漢字がずらりと並ぶ様は、絵巻ものの勇将名将が勢揃ひする場面を連想させる。

花やかで豪壮、昂奮を禁じえないとはこんな時に用ゐるのがきつと正しいのだらう。



ん?



エッグ…?

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by vaxpops | 2016-12-13 08:00 | 画像一葉 | Trackback | Comments(6)

きつと大眞面目

 ほら、色々とお客に知らせたくつて、寫眞やらキャッチ・フレイズやらを継ぎ足す内に、何が何やら解らなくなつて仕舞つたお店、偶に見かけるでせう。

 店主はきつと大眞面目の生眞面目だつた筈で、大眞面目の生眞面目が混沌に繋がつたのだな、きつと。

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 天地創造のときの神さまに似てゐる。

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by vaxpops | 2016-12-10 08:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

1991 先延ばし

 さてこの[いんちきばさら]が、2,000回まで今回を含めてあと10回となる。

 区切りをつけると云ひ。
 つけ方は未定とも云ひ。

 それでどうするか、實はまだ決めかねてゐる。
 決めかねたまま併し、2,000回を過ぎるのもばつが惡い。ばつが惡いのは惡いのだが、決めかねてゐるのも事實で、だから結論は先延ばしにすることにした。

 2016年度末まで、[いんちきばさら]は現状を保持し、継續する。
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 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、優柔不断は丸太の常と諦めて、今暫しのおつきあひをお願ひ申し上げる。

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by vaxpops | 2016-08-29 07:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(6)