いんちきで、さらにマクガフィンだつた。

by 丸太花道@乳軟部

黄身

 ご覧のとほり、苦瓜と厚揚げ豚肉にもやしの炒めもの。味つけは塩と胡椒。まあ、ありきたりと云へばありきたりなんだが、寧ろそのありきたりが旨い。かういふのは凝ればいい、とは限らないんですよ。

 そのまま塩胡椒で食べるのがいいのは勿論、途中でほんのり醤油を垂らして、気分を変へるのも惡くない。ただこの場合、ひと口のごはんが慾しくなるけれども。
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 さうさう。

 このひと皿の厚揚げには、ちよいと感心した。豚肉の脂や苦瓜の風味をうまく受けとめる、意外な(と云ふと、厚揚げに失礼か知ら)有能ぶりを発揮してゐた。

 これをつまみながら(勿論麦酒を呑んでゐる)家でご馳走風に仕立てるなら、大蒜醤油で濃いめに味をつけ、半熟の目玉焼きか温泉卵を乗せ、分葱をたつぷり散らすのがよからうな、と考へた。苦瓜をも少し分厚めに切れば、濃い味つけにも負けはしないだらう。それに黄身で汚れたお皿を、ごはんで綺麗にする樂しみだつて出來る。
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by vaxpops | 2017-08-20 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

meet meat

牛肉とおくらの串焼き。
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豚肉と夏野菜のカレー風味炒め。
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 鶏肉がないのは 画竜点睛ヲ欠ク だねと云はれるか知ら。

 どちらも、旨かつた。
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by vaxpops | 2017-08-19 13:30 | 飲食百景 | Trackback | Comments(2)

困惑の組合せ

 ある午后、不意に思ひついたので、ナポリタン・スパゲッティを食べた。"ランチ・セット"とか称したやつ。冷珈琲をつけて、合計から200円の割引きだつた。
 200円引きなのは、まあいい。
 予想が外れたのは、ナポリタン・スパゲッティに冷珈琲が似合はなかつた点で、これには少し計り、困惑を覚えた。ケチャップの甘さゆゑか、他のスパゲッティでも同じなのか。

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 何かの本で、紡錘形に盛りつけたスパゲッティ(味つけは胡椒と豚の脂)を指でつまみ上げ、檸檬を搾つた冷たい水を飲む伊太利下層民、といふ描冩を目にしたのを思ひ出した。
 あれは旨さう(な描冩)だつたな。
 尤もその記憶のスパゲッティはあまりに雑駁な感じがされなくもない。おれなら野暮つたい赤葡萄酒でも奢るよ。そんな風に考へながら、似合はない組合せを平らげた。
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by vaxpops | 2017-07-30 08:30 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

不逞の輩

 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には"不逞の輩"と云へば直ぐ、ニューナンブと結びつくでせう。怪しからん連想だが、誤りとも云ひにくい。そのニューナンブはこの年度から、月に一ぺん、集まる機会を持つことになつた。定例クリルタイである。

 参集は(勿論)義務ではない。時間のあつた面々が賑やかに呑み、喋り、笑ふ。さういふ集り。ここで慌てて念を押すと、我われはただ、呑んで喋つて笑つてゐるだけではありませんよ。前年度は"マスケティアズ"を名乗つて、冩眞の活動をした實績だつてあることだし。えへん。

 へーえ、では今年度はどうなの。
 さう訊くのですか、そこの貴女。
 さう訊くのですね、そこの貴女。

 ありますよ、ちやあんと。

 称して、"液温24℃"といふ。

 現在、冩眞から距離を取つてゐる私だが、かういふ面白くなりさうな…いや面白くするのでもある…不逞の企てから距離を置く手はない。その"液温24℃"の一番手は頴娃君である。詳しいことは近々、かれのウェブログで明らかにされる筈なので、期待して頂きませう。

 さういふ話とさうでない話で呑みながら、うまいものを(例の呑み屋で)喰つた。

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 先づ、鰹。大蒜が効果的で旨かつた。品書きには土佐造りとあつたが、どこがどう土佐の造りなのだらう。何せ土佐人に知合ひがゐないから、本筋なのなどうか、見当もつかない。

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 續いてしらすを乗せた玉子焼き。下手にしらすを混ぜ込むと、妙な磯臭さが鼻につきかねず、こちらの方が好もしい。大根おろしが少ないのが些か残念だけれど、それは贅沢か知ら。

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 更には合鴨のロースト。こいつは山葵醤油でやつつける。脂つ気は感じられるが、口当りがすつきりするのが宜しい。お酒には刺身よりかういつた肴の方が似合ひさうに思はれる。

 三人で空にしたお酒は冷やで八合くらゐ。不逞の輩たちにしてはやや控へ目な量だつたと思ふ。どうも普段より酔ひの廻りが早く感じたが、さてこれは久しぶりゆゑか、ただ弱くなつたからか。詮もないことを考へた。
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by vaxpops | 2017-07-02 07:15 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

久しぶり

 暫く機会に恵まれなかつたけれど、久しぶりに外で呑んだ。嬉しかつたので、今回はその話。

 呑んだのは麦酒を二はい。それからなだらかに冷や酒移行するといふ基本に忠實な流れ。焼酎や葡萄酒やハイボールが基本に忠實でないのかと云ふと、決してさうではないのだけれど、何をつまむかを考へれば、麦酒で喉を潤してからお酒を味はふのが最も安定する。
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 先づ食べたのは玉子焼き。
 見てのとほりしらすが乗せられ、大根おろしが添へられてゐて、中々宜しかつた。厚焼き玉子に大根おろしの組合せをたれが思ひついたのか。天才的な發想ではありませんか。
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 それから鯵の天麩羅。
 ぽん酢と大根おろし。ひつこいのかさつぱりなのか、はつきりしないのがいい。些か少なさうに思へさうだが、何しろたつた百八十円だもの。文句を云ふ筋ぢやあない。
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 更に合鴨のロース。
 山葵醤油でやつつける。これを後半に持つてきたのは正解だつた。獸肉にしては割りと淡泊で、併し食べてゐる感はしつかりある。ささ身の梅肉和へと並んでお酒に適ふ肉かと思へる。

 鱈腹喰つて、勿論呑みもして、酒席は矢張りかうでなくちやあいけない。まつたくのところ、満足をしたのだが、その分だけきつちり宿酔ひになつた。何と云ふか、一種の不条理ではないかとも思はれるのだが、たれかお酒と宿酔ひについて、哲學的な考察をしてゐないものだらうか。
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by vaxpops | 2017-05-20 20:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

手羽胡麻

 元とか先とか、さういふ部位はさておいて(先の先なんていふのもあるさうですが)、手羽はうまいですな。焼いても揚げても間違ひがない。最近、黒胡椒をまぶしてある手羽を即席豚汁の味噌で炊いてみたのだが、思ひのほか惡いものではなかつた。手羽そのものより、濃い味噌汁を食べる感じにはなつたけれど。ただ手羽を炊くなら矢張り、甘辛く煮詰めるのが常道でありませう。一体に私は甘辛煮きといふのが好物なんです。ごはんのお供に宜しく、麦酒のつまみにもよく似合ふ。それで手羽の甘辛煮にはどうしたつて白胡麻が慾しくなる。この場合に限つては刻んだ青葱だとほんの少し不満が残る。肉のやはらかさに胡麻のはぜる感じが混ざるが好もしいのか知ら。
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 手羽は骨まで丹念にしやぶるのが望ましい態度なのを忘れてはならない。
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by vaxpops | 2017-03-16 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

順序

 我が親愛なる讀者諸嬢諸氏は馬鈴薯をお好みだらうか。ポテトと呼んでもじやが芋と呼んでもいいけれど。私は好もしく思つてゐる。眞面目に自炊をしてゐた頃、こまつた時は馬鈴薯を賽の目に切つて湯がき、冷ましてから、三個分の溶き卵と牛乳に混ぜ、焼いて喰つた。イスパニヤ風がこんな感じだと話に聞いて、眞似をしてみたのだ。皮向きと賽の目切りが面倒なくらゐで、焼いて仕舞へば、ケチャップでもウスター・ソースでもマヨネィーズでも醤油でも喰へる。尤も本もののスパニッシュ・オムレツは見たことがなかつた。いやもしかすると今もスパニッシュ・オムレツに縁はないかも知れないか。

 初めて馬鈴薯を食べたのは何でだつたらう。母親の作つたカレー・ライスか肉じやがだつたにちがひない。續くのはカルビーのポテト・チップスで、父親が一時期ひどく熱中してゐたから。晩酌のキリンビール(ラガーの中瓶)にあはせてゐた。残つた分は細かく砕いてふりかけのやうにごはんに乗せた。あれは倅ながら不思議な光景だつたなあ。程なく熱中の対象は大蒜の蜂蜜漬けに移つたから、眞似をするには到らなかつたけれど。その後がマクドナルドのフライド・ポテトだつた気がする。うら若い讀者諸嬢諸氏は知らないだらうが、四十年近く前の当時のマクドナルドは非常に豪華な食べものだつたのだよ。

 思ひ出すと私の家では馬鈴薯をさうさう使はなかつた気がされる。記憶にあるのは上に挙げたくらゐで、次に登場するのは二十歳前後、ステイク屋で喰つたつけあはせ…皮つきを丸ごと蒸かしたやつまで待たなくてはならなかつたもの。あんまり旨いとは思はなかつたな。馬鈴薯が惡かつたのか、料り方が雑だつたのか。両方だらう。安いステイク屋だつたしね、今さら文句は云はない。なのに偽のイスパニヤ・オムレツに挑んだのは、廉価で簡単さうに思へたからだ。その頃の私は生れて初めて、自分で食事の支度をしなくてはならなかつた。追ひ詰められたら馴染まない食べものでも使はうといふものさ。

 併し馴染まない食べものは食べないから馴染まないだけの話で、それもまつたく無縁ではなかつた。要は私が知る馬鈴薯の食べ方はごく狭い範囲だつただけのことで、ある知人に云はせると

「獨逸人は馬鈴薯を喰ふ。何故か。あの國では我が邦のやうに米(即ち一種の完全食品)を栽培出來ない。かれらは國土に適つた作物であるところの馬鈴薯を作り、食べざるを得ない」

のださうで、本当か知ら。知人はゲルマン人を揶揄ふことに無上の歓びを感じる人物だから、どこまで信じていいか、議論の余地はある。但し獨逸風の料理でザワークラウトと馬鈴薯を欠かされるのは、ごはんとお漬物のない日本の食事のやうではありますまいか。

 詰り馬鈴薯は獨逸人を歓ばせるくらゐ旨いと見立てることも可能で、旨く喰ふ為の工夫だつて怠らなかつた筈で、さういふ努力は英國人も米國人も怠らないだらう。ひとが住み着いた地域には必ず旨いものがある。さうでなくては生きてゆけないからと喝破したのは檀一雄で、あの流浪家兼小説家は言葉が正しく示す雑食家だつたから、その言は信頼に値する。だとすれば馬鈴薯がそして馬鈴薯の料理が我われの舌を歓ばせして、何の不思議もないでせう。揚げて焼いて蒸かして煮て、食事につまみにおやつに、塩からく醤油の香りで時にほの甘く。栄養分が仮にお米には劣るとして、大した問題ではなささうに思はれてくる。
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 さういふことを考へながら、画像の馬鈴薯料理("新じやが芋のチーズ焼"だつたと記憶する)を喰つた…ならば恰好がつくのだが、後から見て思ひついたのが實際である。世の中はうまくゆかないものだなあ。

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by vaxpops | 2017-03-14 07:30 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

 "掌を返す"といふ言葉には厭な響きがある。我が儘にエゴイズム、或は裏切りや変節に繋がるやうな語感。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、さういふ態度はお互ひに避けねばなりません。併し私には割りとその掌を平気でくるくる返す癖があるのも事實で、変節漢の謗りを正面きつて受けてゐないのを不思議に思ふ時もある。人柄ゆゑでないのは明らかだから、色々騙されてゐるのだらう。意図してゐるわけではないから、変節漢は甘受しても詐欺師とは呼ばないで頂きたい。

 何故かういふ書き出しになつたかと云ふと、[空腹に唐揚げ]で鶏の唐揚げを絶讚した殆ど直後にそれを引つ繰り返すのが今回だからで、矢張り獸肉は牛がうまい。鋤焼きやしやぶしやぶといつた薄切りでは駄目で、ある程度の分厚さを持つた、出來れば塊に近い方が好ましい。脂はあつていいとして、さしの入りすぎたのにはそそられない。鮪でもさうだが、近年の我が邦では脂信仰が甚だしくつて、本來ならひと切れかふた切れあれば十分なのに、ああまで有り難がる背景には、どんな事情があるのか知ら。
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 牛肉を存分に味はふなら、矢張りステイクやロースト・ビーフが嬉しいと思ふ。かういふ料理なら英國人が最も巧妙なのではなからうか。佛國人は海峡を挟んだあの島國人をビーフ・イーターと揶揄つたさうで、それを受けた英國人はビーフ・イーター協会(だつたか)を設立したさうで、ここはどちらの立場で笑へばいいんだらう。どう転んでも一方から捲し立てられるにちがひない。間を取つてザワー・ブラーデンにしたら、両方から文句を云はれさうだし、國際関係はややこしいよ。

 なので島國と大陸や國際関係には目を瞑ることにして、ステイクまたはロースト・ビーフについて閑文字を續けるとする。閑文字だから我が親愛なる讀者諸嬢諸氏の役に立たないのは受け合つてもいい。何故かと云へばこれもご承知のとほり、丸太は莫迦つ舌の持ち主だからで、たれです、煙草を控へなさいと呟くのは。尊敬する丸谷才一先生も喫煙家(愛煙家だつたかどうかは疑はしい)だつたが、『食通知つたかぶり』といふ實に面白い本を書いてをられる。

 えーと、話が逸れさうですね。牛肉…ステイクまたはロースト・ビーフの話。

 火を通すのは塩味と並ぶ、人類最古の調理で調味だと思はれる。寄生虫や菌を殺すことで衛生が期待されるし、消化がよくもなる。生では食べられないものがこれで、我われのご先祖の食卓に並べられるようになつた。しかもかうすると生のままより格段に旨くもなる。人類の偉大な第一歩は月面への着陸の前に、火を使つた調理にちがひない。アームストロング船長は悔しがるだらうが、事實は事實だからやむ事を得ない上、二歩目だつて不名誉な話と呼べないし。

 ステイクで塩胡椒といへば何となく通人が連想される。"肉本來のうまさをどうかう"と云ひ出したら終りだけれど。グレイヴィに葡萄酒を加へ、味を調へながら煮詰めたのもいい。この場合はパンを忘れずに添へたい。お皿を綺麗に拭ふのは欠かすわけにはゆかない礼儀ですよ、礼儀。ソースを平らげるのも愉しみとすれば、いや實際愉しみであるのだが、ロースト・ビーフも同じでせう。檀一雄はロースト・ビーフとスモウクト・サモンが英國式料理のお気に入りらしく、何度となく絶讚してゐたのを思ひ出した。きつとかれはパン(もしかして馬鈴薯だつたらうか)をソースに浸すのを無上の悦びとしたにちがひない。

 そこで上等…といふのは高額の意でなく、好みに適ふ牛肉を食べるにはどうすればいいかと疑問が湧いてくる。もうこれは自分で何とかするのが最良ではなからうか。前述のとほり、私は脂を重視しないから、赤身でよい。それをバタで。塩と胡椒は控へ目が宜しからうか。
 以前はレヤーな仕上りを歓んだものだが、今はさうでもなくて、ミデアムの方が安心出來る。妙に凝つたソースは用意が六づかしいし、気が取られかねないから要らない。大蒜の香りと醤油の風味は慾しいかな。最初からお箸かホークで食べられる程度に切り分けておかう。味が濃い時の為に大根おろしを用意したく思ふが、さうなると牛肉に不可欠の馬鈴薯が似合はなくなるだらうか、些か心配である。

 後はちよつと気張つた赤葡萄酒でもあれば万々歳だが、その辺は財布と相談するしませう。人類最古の調理に人類の叡智の醗酵の組合せは、肉を味はふのに絶好と云ふべきで、鶏の唐揚げからまた豪胆な掌返しをしたなあ、と我が親愛なる讀者諸嬢諸氏には呆れられるか知ら。併し掌は何べん引つ繰り返したつて、掌なんである。
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by vaxpops | 2017-02-26 09:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

空腹に唐揚げ

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 空腹を感じる。
 居酒屋に入る。

 さういふ時、一ばん好もしく思はれるのは、鶏の唐揚げではなからうか。空腹だつたら、かつ丼を食べればいいぢやあないか、と異論も出るだらうが、またかつ丼を喰ふのは實に魅力的な異論でもあるのだが、こちらは麦酒も呑みたいので、残念ながら全面的に受け入れるのは六づかしい。

 そんなら牛肉や羊肉もあるし、ちよいと凝つたところなら櫻に牡丹もある。それではいけないのかと畳み掛けられたら、それでいけなくはないけれども、空腹に大切なのは素早さで、鶏の唐揚げはその点でも優位ではないか知らと疑問を呈することになる。生眞面目に考へる話ではないか。

 少し冷静になると、鶏の唐揚げはかつ丼や焼肉やジンギスカン鍋や櫻刺や牡丹鍋に比べ、"外れを引く確率"が低いのではないか。意地の惡い見方をすれば大当りの率に期待出來ないことにもならうが、何しろ空腹なのだからお店や献立を丁寧に撰ぶ余裕は持ちかねる。さうなると馴染んだ、或は最寄りの居酒屋に飛び込んで

「麦酒と鶏の唐揚げ」

と兎に角慌てて云はざるを得ない。感心しない態度ではあるけれど、兎に角慌てて註文せざるを得ないくらゐの空腹に、鶏の唐揚げほど似つかはしい一品はさう見当らなささうにも思はれる。揚げたてにかぶりつき、檸檬塩、醤油と進めれば冷めてもうまいもので、麦酒二杯にちようどよい。

 さてこれから、鶏の唐揚げでちよいと、引つ掛けるとしませうかね。
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by vaxpops | 2017-02-22 08:00 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)

遊星から來た

 某日、某所の某居酒屋での某物体。

 かうして画像にすると、何だか気味惡く感ぜられなくもないが、冷酒に適ふうまい肴だつた。
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 詰り、なめろう。

 たたきの一種といふより、タルタル・ステイクの魚版と呼びたくなる漁師料理で、余りに旨くつて、皿を舐め取りたくなつて仕舞ふのが名前の由来だとか。

 お行儀は守らなくてはならないから、流石に舐め取るには到らなかつたが、気持ちはまつたくよく解る。

 画にした途端、遊星から來た奇怪な物体にしか見えなくなるのが難点だけれど。

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by vaxpops | 2017-02-21 07:15 | 飲食百景 | Trackback | Comments(0)