いんちきでさらにマクガフィン

by 丸太花道@乳軟部

看板の気合ひ

 "レトロ"好みと称するひとが世の中にはゐる。
 単に"それつぽい"のが好きなだけなひともゐるだらうな。それを商ふ人びとも。どちらを責める積りもないけれど、"それつぽい"のは結局のところ、それだけではないのかなとも思ふ。

 多摩に青梅といふ町がある。奥多摩の入り口のやうな町。ここの賣りが"昭和レトロ"で、映画の古看板を再現さしたり、建物の外観を意図的に古めかしく飾つたりしてゐる。尤も川越のやうに元の建物が古いわけではないから、どうにもあざとさが鼻につく。青梅には長く足を運んでゐないから、今はどうか知らないが、惡くない呑み屋が少なくとも一軒あつて、そこは"昭和レトロ"ではない古ぼけた店構へだつた。呑み屋に限らずああいふお店が並ぶ方がしつくりきやしないだらうか。

 さういふ町の好みは兎も角、琺瑯の古看板を眺めるのは樂しい。銘柄それ自体は勿論、活字の用ゐ方、色あしらひ、宣伝の惹句。現代の目から見て、スマートとは呼びにくいとしても、広告の手段が限られた時代の看板だから気合ひがちがふ。その気合ひを感じながら、ユニオンビールとカブトビールのどちらを撰ぶと訊かれても、すりやあ無理な話。ここは両方を買はなくては(肴はヤマサかヒゲタの醤油でお刺身だらうか)と思はされる。決意させられる。後から作つた…複製した看板だと、とてもぢやあないが、かうはいかないだらう。

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 さうだ。

 この画像はどこだと思はれる方の為に書きつけておくと、伊豆半島の先端にある某町のT商店である。以前にも訪れたことがあつて、その時は年代物の風呂敷を二枚買つた。風呂敷も建物も歳を経たもので、詰りレトロ気取りではなく、本もののレトロスペクティヴ。その向ひが同じ商店の酒屋で本業はこちらである。品揃へも決して惡くなかつたが、ユニオンもカブトも見当らなかつたのだけは惜しまれてならない。

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by vaxpops | 2017-04-20 13:30 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(4)

関所

 ニューナンブが"お酒とお蕎麦と寫眞とカメラを愛好する(不逞の)集団"であるとは、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏のよくご存知の事實である。中でも頴娃君は先鋭的な愛好者(クロスロード・G君は穏やかなフヰルム利用者。S鰰氏は動画に傾倒してゐる)であつて、呑むと手繰ると撮るが一体化したやうなアグレッシヴさは時に尊敬の念まで感じさせる。かれが狙ふのは徹頭徹尾スナップ。ライカに35ミリのズミクロンまたはズミルクスが大半ではなからうか。
 徹頭徹尾スナップのスタイルは端から見ると兎に角撮(り續け)る点に集約されさうで、数もさうだがまあ實に速い。露光はカメラ任せみたいだが、焦点合せはおそらくスナップ向けの距離でほぼ固定なのだらう。
「撮つてなンぼでつせ」
きつとかれは、いんちきな関西訛り(まつたくの惡癖だ)で云ふにちがひなからう。併し大したものだなあと思ふ。私には無理だけれど。

 さう。以前にも触れたとほり、丸太はスナップを苦手としてゐる。撮りたくて撮れないならこまるけれど、撮りたいと思ふ手法ではないから気にしてゐない。併し頴娃君はアグレッシヴである。熱気もある。さうするとその熱気にあてられることだつてあるもので、これは、こまる。
 過日の下田熱海行では2泊3日の道中、デジタルカメラとスマートフォンで300枚くらゐ寫した。たつたそれだけと思はれる方もゐるだらうが、私にしては相当な量といつていい。仮にひとりで同じ経路を動いたとしたら、撮影数は半分かもつと少なかつたらうな。繰返すとこれは頴娃君の熱気に煽られたからで、私本來の撮り方とは異なつてゐる。影響されやすいんだなあ。

 「それが寫眞つてえものさ、貴君」
と頴娃君には云はれさうで、そこを認めるのは吝かでないとして、さうでないのも寫眞の筈で、なら"さうでないの"は何かといふ疑問が浮ぶ。尤もその疑問に首を捻るのはこの稿の目的ではない。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏よ、ご自身でお考へください。

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 問題はさうやつて煽られ(て撮つ)た寫眞を後から見ると、詰らなく思へる点で、どうにも頴娃君風なのです。かれの寫眞が詰らないといふのではありませんよ。すべてに首肯出來るとは云はないが、いいねエと唸らされる寫眞だつて少なからずあるのもまた事實。事實ではあるのだが、さてそれと同じ伝で撮つたとして、その寫眞が頴娃君流と並べるのか知ら。いやこれは相手が頴娃君に限つた話ではないけれども。
 極端なことをいへば、2泊3日の時間で撮つた寫眞が1枚でもかまはないんではないか、と私は考へてゐる。撮影といふ行為の愉快と寫眞を見る樂しみは共に認めるし理解もするとして、私の場合、頴娃君式に撮るのは半ば機械的にシャッターを切るのと同じい。それぢやあ何の為のカメラでありレンズであるのか。
「とは云へ撮らなきやあ、寫眞にならないぜ」
そのとほり。ただ数と寫眞が直結するとは限らないでせう。文章ほど極端ではないにしても、寫眞だつて数と質は比例しにくいことは指摘していいように思ふ。多く撮つた結果、よささうな寫眞が増えたとして、その大半は偶然の産物だから、撮つたひとの手柄とは呼び辛い。

 それもまた寫眞の歓びなのは勿論、解る。解りつつ偶然を得る為に兎に角撮るといふ手法を採るのはどうも、性分に適はないらしい。まして私にとつての寫眞は優先順位のひくい藝である。必要と思はない限り、或は撮りたいと思はない限り、スナップを狙はなくたつて、何の支障が出るだらう。といふ当り前に最近やつと、気がつけた。我が親愛なる讀者諸嬢諸氏からも賛否はあるとは思はれるけれど、"丸太と寫眞との距離"は今後微妙に、または大きく変化するだらう。関所をくぐればちがふ土地のやうなもので、併しこの画像の関所は出口だから、どうも具合が惡い。

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by vaxpops | 2017-03-31 07:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(0)

ぶらーん

あるくの、やーよ

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やーだつたら、やーなのよう

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by vaxpops | 2017-03-30 06:45 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)

問題の三番め

詰り、宝亭。
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ま、詳しくは、云ふまい。

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by vaxpops | 2017-03-29 07:00 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(2)
はだしのガール

さ、この靴を履いて

お散歩の續きに行かう
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by vaxpops | 2017-03-28 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

裸足のガール?

そこのお嬢ちやん、お靴はどこにありますか。

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by vaxpops | 2017-03-27 06:45 | ニューナンブ | Trackback | Comments(2)
 私が勝手に云つてゐるわけでないのは、画像をご覧になれば一目瞭然。
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 ね、さうでせう。
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by vaxpops | 2017-03-26 07:45 | 徒然諸々 | Trackback | Comments(4)

姉妹

おねえちやんといつしよに

おやつをたべるんだよ

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by vaxpops | 2017-03-25 07:45 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

風車ガール

少女と風車

巡るめぐる

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by vaxpops | 2017-03-23 07:15 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)

虚々實々の熱海篇

 スーパービュー踊り子8號は天井が高く窓が広い。
 それに車内販賣のI川さんが愛らしく、満足を覚えながら下車。
 驛に併設された建物が随分と新しくなつてゐる。
 鄙びが減つたと思ひながらアーケードに入ると干物や温泉饅頭のお店が並んでゐて安心する。
 海側に抜けた辺りのK月堂も健在。今でもプリントが出來るのだらうか。

 19日の泊りは食事があるから、ちよつとしたつまみを仕入れ、宿にむかふ。
 熱海はごく狭い町で山肌にへばりつくやうに建物が並ぶ。急な坂道をぜいぜい云ひながら歩く。
 辿り着いて荷物をはふり出し、兎にも角にもひと息。
 素早く浴衣に着かへてお風呂。坂で滲んだ汗が洗はれる心地好さといつたら。
 ヱビスを平らげて本格的にほつとしてから、夕食。
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 頴娃君は抜かりがないから食卓にお酒を持ち込んでよいと確認済み。
 それで黎明。
 昨晩の志太泉には些か気の毒ながら、こちらの方がぐつと旨い。

 鯛をカルパッチョ風に仕立てた小鉢に鯵の南蛮漬。
 烏賊のお刺身を梅肉と大葉で和へたのには感心。
 白子のもみぢおろし添へ。
 菜の花の天麩羅。
 白身魚を鰹の出汁で仕立てたあんで。
 お吸ひ物は上塩梅でお替りを頼む。
 オレンジとキウイを添へたムースがデザート。

 鉢にたつぷりのお漬物は我儘を云つて部屋に持ち込む。
 前日に續いて用意したチーズと共に英君を開ける。黎明に劣らずうまい。
 備へつけのテレビジョンに器械を繋いで撮影した画像をスライドショウのやうに観る。面白い。
 プリントもいいが、かうして一ぺんに見直すのだつて、いい肴になる。
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 3月20日は寝覚めが些か惡い。左足の踵も痛い。
 気にせず朝めし。
 煎り卵、蒲鉾、筑前煮きに干物。
 御飯と焼き海苔とお味噌汁。
 デザートのプリンに珈琲を2杯。

 熱海の町中を歩く。寂れてゐるけれど、一部には新しいお店も出來てゐる。
 但しアタミ銀座のピンクショーは今回も實演されてゐない。残念。
 港では鴎が賑やかに騒ぎ、少年がカモメさん!と叫んでゐる。
 家族連れは微笑ましく、アベックは憎たらしい。
 熱海は温泉の町なのに、さうではないお風呂屋さんがある。原泉掛け流しなのか知ら。

 折角だから晝めしを喰はうと意見が一致して、何軒か覗いたが、この点だけは感心しない。
 尤も惡くなささうな居酒屋だのの看板はあるから、時間帯がよくないと見ることも出來る。
 やむ事を得ないとこれも意見の一致をみて、小田原に戻る。車内で罐麦酒(黒ラベル)を1本。
 驛ビル内の蕎麦屋で玉子焼きに箱根山、それからざる蕎麦を1枚をやつつける。
 満足して新宿経由での帰宅。踵の痛みは消えてゐたが、脹脛に疲れを感じる。

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by vaxpops | 2017-03-22 07:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(4)