いんちきで、さらにマクガフィンだつた。

by 丸太花道@乳軟部

罐詰の 罐詰で 罐詰を

 食事を用意するのが面倒な時は罐詰を使ふ。ごはんを炊いておけば、それで一食を賄へるのは便利だし、まづいものでもない。お皿にがばつと乗せるだけだと少々寂しいのが難点だが、その辺は幾らでも工夫の余地がある。
 買ふのは主に安賣りになつてゐるやつで、大体は鯖や鰯の味噌煮やら水煮やら、そんな風な名目がつけられてゐる。焼き鳥のたれ味や柚子胡椒風味、赤貝の煮つけなんていふのもあつて、賣り場を眺めるのも樂しみのひとつ。

 三十年近く前、友人から送つてもらつた罐詰を思ひ出した。北海道旅行のお土産で、とど肉の大和煮とカレー煮。どちらも湯煎して喰つた記憶があるが、どんな風にお礼を伝へたかは丸で記憶にないから、こまつたのだらうな。
 十年余り前の一時期は、沖縄でポーク・ランチョンミートの罐詰に馴染んだ。ちやんぷるーには必ず入つてゐたし、玉子焼きとあはせたポーク玉子は未だに好物である。確か味噌汁(といふ名の汁もの)でも堂々としてゐた。

 お肉系列で云へばコンビーフもあつた。少年の頃はコーン&ビーフの略だと思つてゐたから、初めて本ものを見た時、コーンの姿がないのを訝しんだ。知人に云はせると丸かぶりが一等うまい食べ方ださうだが、本当か知ら。
 混ぜ肉で作つたのはニューコンとかそんな呼び名か。親戚の顔をしつつ、遠慮がちにビーフを外してゐるのが謙虚なのだか何なのだか。炒めたりサラドに加へたりすると、手抜きで豪華を装へるところが有り難い。
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 さてここ最近の気に入りは秋刀魚の蒲焼き(併し蒲の姿にはなつてゐない)で、生姜と青葱をたつぷり使ふ。この手の罐詰はどうしても微かな生臭さが残るもので、それを消すのも目的のひとつとして、かうする方が矢張りうまい。
 肴になる。
 おかずになる。
 大根おろしがあれば豪華な気分になれるし、漬け汁と呼へばいいのか、あれが残れば、好みで味を調へ、マヨネィーズ代りに生野菜へ添へたりも出來る。味噌煮罐でも同じと云へばそのとほりだが、この稿では秋刀魚罐が気に入りなので、こちらを推しておきたい。

 そんなら秋刀魚を焼き、またはお惣菜で買つてきて、葱でも生姜でも醤油でも何でも好きに散らし垂らせばいいではないかと、生眞面目な讀者諸嬢諸氏には呆られる不安がある。
 そのご指摘は正鵠を射てゐるのだが、ここでは面倒を避ける為の手段として、必要最小の手間で罐詰を使ふことを考へてゐる。ところで外ツ國でも罐詰で愉しむひとはゐるのだらうか。鰯の油漬け辺りは応用力が高さうに思はれる。
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by vaxpops | 2017-06-07 14:30 | 飲食百景 | Trackback | Comments(2)
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Commented by stonefree_01 at 2017-06-08 20:06
コンビーフの美味しい食べ方は超難関。温めれば脂でべっちょり。味は微妙に薄く、醤油は濃すぎ、マヨだと更に脂ぎって最悪。丸かじりが一番といふのは、それしか採るべき適当な方法がないからだと思ふ。
魚の味噌煮、水煮、蒲焼き系統は最強。お皿に盛り少し温めるだけで良いわよ。栄養価も(^^)
Commented by vaxpops at 2017-06-09 08:20
頴娃君。

 コンビーフなんてのは、炒めものやトマトのサラドに脂つぽさ、肉つぽさを加へたい時に用ゐる以外は、それくらゐしか方法がないのかも知れませんな。

 味噌煮水煮蒲焼罐は確かに温めるだけで十分。
 ほぐし叩いて冷奴に添へるのもいいものです。
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