いんちきで、さらにマクガフィンだつた。

by 丸太花道@乳軟部

酒の時間 肴の空間

 肴…サカナと讀むのだが、これはサカとナに分けられる。
 酒菜とも書くのがその證拠。 
 但し菜とはあるけれど野菜に限る必要はなく、酒席に供せられる食べもの全般の意と理解すればいい。

鶏の唐揚げ。

餃子。

臓物の煮込み。

焼鳥。

お漬物の盛合せ。

鮪や鰤のおさしみ。

〆鯖。

烏賊の塩辛。

ハモン・セラーノ。

ポテト・サラド。

焼ソーセイジにザワー・クラウト。

 その他諸々、幾らでも挙げるのは出來て、但しここで大事なのは酒菜の酒が示すのは所謂日本酒なんです。詰り肴は日本酒と相性が好くなくてはならない。或は日本酒との相性をば優先させなくてはならない。

 そこで我われは"直会"なる古い言葉を頭に浮べる必要がある。讀みはナホラヒ(發音は nao-rai) 大雑把に、神さまに贄を捧げた後の宴の意だから、簡単に云へば宴会、もしくは打ち上げですね。

 神さまに捧げた贄だから、それが貧相なのは有り得ない。また殺生を厭がる小賢しい宗教が入る前からの風習なのを思ふと、その年に収穫された米や麦や種々の野菜、木の實だけでなく、鮭に猪に雉なぞの山鳥も捧げられただらう。きつと(贅沢にも)大きな火を点け、割いて烹て焼いて捧げ喰つたのは疑念の余地がなく、更にその年に醸された酒が並べられたと想像するのは、寧ろ自然ではあるまいか。

 勿論それは今の収穫に感謝し、次の収穫を祈る神事の性格が前面にある。むかしの神さまは何かあると、直ぐに祟つてくるからね。併し当人の意識とは別に、"初ものの宴会"の気分が紛れてゐたとしても、奇とするには当らない。自分や家族や郎党が亡びずに済む目処がついたんだもの。少々破目を外したところで、その態度…気分を責めるのは気の毒ぢやあないか。それに初もので浮き足立つのは、ご先祖から我われに受け継がれた性向でもある。

まさか?

 疑念を抱くそこの貴女、どこでもいいから、酒藏の藏開きに足を運んでごらんなさい。疑念がたちどころに氷解するのを感じ、きつと鶏を焼いて一ぱい呑りたくなるに相違ないから。

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過日、恙無く閉幕した[珈琲の時間、お酒の時間]の為に草したものです。

そのままではありません…といふより、こちらがオリジナル。
提供したのは改稿したもので、そちらは分量が減り、云ひ廻しも少々異なつてゐて、何より(我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にはお馴染みの)歴史的仮名遣ひを用ゐてゐない。現代仮名遣ひで書いたのではなく、歴史的仮名遣ひが混ざらないように書いのだけれど、思つてゐたより、これが随分と手間だつたのには、驚かされました。

寫眞から距離を置きながら、かういふ形で関はる方法もある、あつたといふのは、私にとつて新鮮な体験でした。機会を作つてくれた頴娃君には御礼を申し上げます。

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by vaxpops | 2017-07-24 10:00 | ニューナンブ | Trackback | Comments(0)
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